筆者は信用金庫に勤務していましたが、偶数月の15日に、ATMが混み合う場面を多く見かけてきました。

そう、2・4・6・8・10・12月の15日は公的年金の支給日。2カ月に一度、生活費などの引き出しのために来店するお客様が多かったのです。

年金支給日はさしづめ、現役世代でいうと給料日。とはいえ年金の場合は前月までの2カ月分が合算して振り込まれますので、家計管理のリズムも変わってきそうですよね。

また止まらぬ物価上昇が世代を超えた家計を圧迫するいま、働き盛り世代の中には「遠い将来の生活設計」についても漠然とした不安や疑問を持つ人もいるでしょう。

ちなみに総務省の家計調査報告(※)によると、65歳以上の単身無職世帯の消費支出はひと月14万5430円。この金額をカバーできる、厚生年金を「ひとりで月額15万円超える人」はどの程度いるのでしょうか。

今回は、年金制度の基本をおさらいしたあと、厚生労働省が公表したモデル年金額(単身世帯・夫婦世帯)や、今のシニア世代が実際に受け取る年金額データを見ていきます。

総務省「家計調査報告 家計収支編 2023年(令和5年)平均結果の概要」