3. 近い将来には賃貸住宅の家賃が上昇する可能性が高い

前述した理由から家賃の値上げは経済の変動(景気の変動)に遅れて発生する傾向があるので、賃貸住宅オーナーにとっては当面の経営状態は悪化する可能性が否定できません。

しかし日銀が「金利を上げる」という政策をとるのは、経済の循環が好転している状況にあるといえます。

賃金上昇が徐々に顕著になってくれば、少し遅れて家賃を値上げできる可能性が高いといえるでしょう。

オーナーにとっては金利の上昇は利息が増えてしまうのでマイナス要因ですが、賃料が増額できれば利息増額分を相殺することができます。

4. まとめにかえて

金利の上昇は不動産市場に大きな影響を与える可能性があります。

金利の上昇により新たな賃貸物件の供給が減少すれば、既存の賃貸物件の家賃へも少なからず影響を与えることでしょう。

そしてオーナーが家賃の見直しや契約条件の変更などを求めるようになれば、入居者の契約期間終了後の更新が難しくなってしまうこともあります。

したがって金利の上昇は単にオーナーのローン返済額に影響を与えるだけでなく、賃貸住宅に住んでいる人々の家計にも大きな影響を及ぼす可能性があるといえます。

参考資料

亀田 融