2024年7月3日に、5年ごとに行われる公的年金の財政検証が発表されました。

この検証では、国民年金保険料の納付期間が5年延長される案が見送られることになりましたが、60歳で完全に現役を引退して年金生活に入るシニアは少なくなりそうです。

ただ、年金額が物価の上昇に追いつかず、実質的に減少している現状では、年金だけで生活するのはますます厳しくなっていますよね。

そこで、厚生労働省が2023年12月に発表した「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を元に、最新の厚生年金と国民年金の受給額をチェックしてみましょう。

令和シニアの年金生活を具体的に見ていくと、現実が見えてきそうです。

1. 厚生年金と国民年金の仕組みをおさらい

日本の公的年金制度について、もう一度しっかりおさらいしておきましょう。

公的年金制度のしくみ。60歳代~90歳以上までの平均受給額は2枚目をチェック

日本の年金制度のしくみ

出所:日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」等を参考にLIMO編集部作成

1.1 国民年金(1階部分:基礎年金)

  • 日本国内に住んでいる20歳から60歳未満の全員が基本的に加入します。
  • 保険料はどの人も同じ額を支払います。
  • 将来もらえる年金額は、実際に納付した期間に応じて決まります。

1.2 厚生年金(2階部分)

  • 主に公務員やサラリーマンが対象です。
  • 収入に応じて保険料を支払い、上限があります。
  • 納付期間や支払額に応じて、将来もらえる年金額が変わります。

日本の公的年金は2階建てになっていて、基本的な部分が国民年金、そして収入に応じた部分が厚生年金です。

最近では、企業年金や個人年金保険に加入する人も増えてきています。これらは「私的年金」と呼ばれ、年金の「3階部分」にあたります。

次回は、現代のシニアが実際にどれくらいの年金を受け取っているのか、60代から90代以上までの年金額を一覧表で見ていきましょう。