2. 【国民健康保険】2022年度の実質収支は1067億円の赤字
厚生労働省は2024年8月8日、2022年度における国民健康保険の財政状況について公表しました。
「令和4年度国民健康保険(市町村国保)の財政状況について」によると、収入総額は24兆2859億円、支出総
額は23兆8323億円となり、収支差引合計額は4536億円の黒字でした。
しかし、単年度収支差引額は1192億円の赤字となり、また国庫支出金精算額等を考慮した精算後単年度収支差引額は 319億円の赤字とのことで、実質的な収支は1067億円の赤字となっています。
なお、被保険者数は前年度より124万人減少の2413万人に。
これは過去最少の数字です。
保険料の収納率は前年度より減少している自治体が多く、市部平均で0.10ポイント、町村部平均で0.12ポイント減少しました。
3. 国民健康保険料の個人負担も大きい
国民健康保険料は所得に応じて負担しますが、決して少ない金額ではありません。
さらに、毎年のように上限額の増額が続いており、高所得者の負担が高まっている現状にあります。
2024年には106万円まで引き上げられました。
限度額を超過する世帯割合は1.4%台なので、全ての人が影響を受けるわけではありません。
しかし、そもそも保険料を決めるときに用いる料率等が上昇傾向にあるため、じわじわ保険料が増えていると感じる方もいるのではないでしょうか。
参考までに、名古屋市の国民健康保険料を見ていきましょう。
執筆者
日本大学国際関係学部卒業後、東洋証券株式会社に入社。国内外株式、債券、投資信託、保険商品の販売を通じ、主に個人顧客向けの資産運用コンサルティング業務に従事。特に中国株式、投資信託の提案を得意とし、豊富な金融知識を活かした顧客ニーズに沿う提案が強み。現在は個人向けに資産運用のサポート業務を行う。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP3級)、一種外務員資格(証券外務員一種)を保有(2024年2月7日更新)。
監修者
株式会社モニクルリサーチ メディア編集本部
LIMO編集部記者/編集者/元公務員
京都教育大学卒業。株式会社モニクルリサーチが運営する、くらしとお金の経済メディア「LIMO(リーモ)」のLIMO編集部において、厚生労働省管轄の公的年金制度や貯蓄、社会保障、退職金など、金融の情報を中心に執筆中。大学卒業後は教育関連企業での営業職を経て、2010年に地方自治体の公務員として入職。「国民健康保険」「後期高齢者医療制度」「福祉医療」等の業務に従事した。主に国民健康保険料の賦課、保険料徴収、高額療養費制度などの給付、国民年金や国民健康保険への資格切り替え、補助金申請等の業務を担う。特に退職に伴う年金や保険の切り替えでは、手続きがもれることで不利益を被ることがないよう丁寧な窓口対応を心がけた。その後、保険代理店にてマーケティング業務に従事。保険料比較サイトの立ち上げに参加した。乗合保険会社の商品ページだけでなく、保険の知識を普及するためのページ作成にも参加。ニ種外務員資格(証券外務員ニ種)保有。小学校教諭一種免許、幼稚園教諭一種免許、特別支援学校一種免許取得。
はたらく世代のお金の診断・相談サービスを行うマネイロでは、「【計算例付】厚生年金保険料はどのように決まる?ケース別算出方法や受給額を解説」など、お金や年金制度にまつわる記事を発信中。京都府出身。(2024年9月4日更新)