8月15日は年金支給日です。

厚生労働省の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、老齢基礎年金の平均受給額は5万6316円で、老齢厚生年金は14万3973円となっています。

額面金額15万円をもらえると、平均よりも多く受給できることになりますが、実はそこから社会保険料や税金が天引きされ、少なくなってしまうことをご存じでしょうか。

本記事では、公的年金から天引きされるものの種類を解説するとともに、額面15万円の場合、手取り額はいくらになるのかをシミュレーションしていきます。

1. 公的年金から天引きされるもの

年金から天引きされるものとして、以下の5つがあります。

【写真全3枚中1枚目】公的年金から天引きされるもの一覧表、2枚目では「公的年金等に係る雑所得の速算表(65歳以上)」を掲載

公的年金から天引きされるもの一覧表

出所:筆者作成

  • 介護保険
  • 国民健康保険料
  • 後期高齢者医療保険料
  • 住民税
  • 所得税

ただし、すべての方が5つ全部を控除されるわけではなく、それぞれ天引き対象者となる条件が決められています。

次の章から、詳しくみていきましょう。

1.1 年金からの天引き:介護保険料

介護保険料は、公的年金を受給している65歳以上の方のうち、年間の受給額が18万円以上の方が対象です。

保険料はお住いの自治体や合計所得金額によって異なります。たとえば、東京都千代田区の基準額は6万7200円(※)です。

※2024(令和6)年度~2026(令和8)年度まで