2.4 住民税
住民税では基礎控除の43万円と社会保険料控除を差し引けるため、課税所得は9万2004円(70万円-(43万円+社会保険料控除17万7996円))です。
シミュレーション条件として、住民税は課税所得の10%としてあるため、年額9201円(9万2004円×10%)になります。
2.5 年金から天引きされたあとの手取り目安額は約13万4000円
ここまでの内容をまとめましょう。
年金年額180万円から、介護保険料が年額8万7120円で、国民健康保険料が年額9万876円、所得税が2101円、住民税が9201円差し引かれます。
その結果、手取り額は年額で161万702円、月額で13万4226円となります。
なお、このケースでは基礎控除と社会保険料控除のみが適用されていますが、扶養控除や医療費控除などの控除があれば、税金がさらに安くなったり非課税になったりする可能性があります。
今回の計算結果はあくまでもシミュレーションで、実際には異なることにご注意ください。
3. まとめにかえて
老齢基礎年金や老齢厚生年金の額面金額からは、社会保険料や税金が天引きされ、実際の手取り額は減ってしまいます。
今回ご紹介したシミュレーションでは、額面金額が15万円の場合、手取り額は13万4000円という計算結果となりました。
額面金額がそのまま受け取れると予定していると、生活費が不足する可能性があるため、社会保険料や税金にいくらかかり、手取りはいくらになるのかをしっかり確認しましょう。
参考資料
- 厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「令和6年4月分からの年金額等について」
- 国税庁「No.1600 公的年金等の課税関係」
- 国税庁「No.2260 所得税の税率」
- 新宿区「介護保険料の決まり方」
- 新宿区「令和6年度 国民健康保険料 概算早見表」
木内 菜穂子