3. 年金を「約46万円」「約51万円」支給される夫婦の差

年金は2ヵ月に1度、夫婦2人分が支給されます。

2024年度の標準夫婦の年金額例は「23万483円」となっていることから、2ヵ月分にすると「約46万円」となります。

「約51万円」が支給される夫婦については「共働き世帯」を想定した際の、2ヵ月分の合計額となっています。

現代では約75%が共働き世帯となっており、モデルケースのような「40年間専業主婦」という世帯は減少してきています。

内閣府男女共同参画局「男女共同参画白書 令和6年版」によると、共働き世帯は1206万世帯、専業主婦世帯404万世帯で、共働き世帯が専業主婦世帯の約3倍です。

5月13日に厚生労働省が公表した「第15回社会保障審議会年金部会」の資料では、多様な世帯構成を踏まえたモデル年金額を以下のように想定しています。

3.1 共働き世帯のモデル年金額

  • 男性の平均的収入を1.25倍+女性の平均的収入を1.25倍=合計年金額33万4721円
  • 男性の平均的収入+女性の平均的収入=合計年金額29万4977円
  • 男性の平均的収入を0.75倍+女性の平均的収入を0.75倍=合計年金額25万5232円
  • 男性の平均的収入を1.25倍+短時間労働者の平均的収入=合計年金額28万4588円
  • 男性の平均的収入+短時間労働者の平均的収入=合計年金額26万967円
  • 男性の平均的収入を0.75倍+短時間労働者の平均的収入=合計年金額23万7346円
  • 女性の平均的収入を1.25倍+短時間労働者の平均的収入=合計年金額24万7101円
  • 女性の平均的収入+短時間労働者の平均的収入=合計年金額23万978円
  • 女性の平均的収入を0.75倍+短時間労働者の平均的収入=合計年金額21万4854円

3.2 片働き世帯のモデル年金額

  • 男性の平均的収入を1.25倍+国民年金のみ加入=合計年金額25万4104円
  • 男性の平均的収入+国民年金のみ加入=合計年金額23万483円
  • 男性の平均的収入を0.75倍+国民年金のみ加入=合計年金額20万6862円
  • 女性の平均的収入を1.25倍+国民年金のみ加入=合計年金額21万6617円
  • 女性の平均的収入+国民年金のみ加入=合計年金額20万494円
  • 女性の平均的収入を0.75倍+国民年金のみ加入=合計年金額18万4370円

上記から、年金支給日に「約51万円」が支給される夫婦とは共働きで1ヵ月あたりの支給額が25万5232円となる夫婦を指します。(報酬額で見ると「夫が報酬32万9000円+妻が報酬22万5000円」)

約46万円・約51万円というのはあくまでも2ヵ月分であり、さらに夫婦2人分の年金額です。

ここから税金や保険料が差し引かれるため、手取り額はもっと少なくなります。

またこれらはモデルケースであり、受給する年金額には個人差がある点に留意しておきましょう。