人生100年時代と言われるようになった現代においては、65歳以降も働くシニアが増加傾向にあります。

実際に、総務省の「統計からみた我が国の高齢者」によると、65〜69歳の就業率は50.8%、70〜74歳の就業率は33.5%と、いずれも過去最高の就業率となっています。

一方で、「65歳でリタイアし、それ以降は年金だけで生活する」と考えている人も少なくありません。

しかし、いわゆる「老後2000万円問題」が注目を集める中、「老後は年金だけで生活できるのか」「老後の家計収支は赤字になるのか」など、多くの不安を抱える人も増えています。

そこで本記事では、65歳以上のリタイア夫婦世帯の「収入&支出」について詳しく紹介していきます。

老後に受け取れる年金額についても紹介しているので、あわせて参考にしてください。

1. 老後に年金だけで生活している世帯は41.7%

「65歳になったら定年退職をしてその後は年金だけで生活する」と考えている人もいるかもしれませんが、実は年金だけで生活しているシニア世帯は半数以下となっています。

実際に、厚生労働省の「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」によると、100%年金だけで生活している人は全体の「41.7%」しかいません。

【写真全3枚】1枚目/公的年金・恩給の総所得に占める割合別世帯数の構成割合、2枚目/65歳以上無職夫婦のみ世帯の家計収支

公的年金・恩給の総所得に占める割合別世帯数の構成割合

出所:厚生労働省「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」

シニア世帯の半数以上が年金だけでは生活できていない現状から、65歳でリタイアを考えている場合は、「年金だけで生活していけるか」「赤字になる場合はカバーできるだけの老後資金はあるか」なども考慮する必要があります。

では、65歳以上のリタイア夫婦世帯のリアルな家計収支はどのようになっているのでしょうか。

次章にて、65歳以上のリタイア夫婦世帯の「収入と支出」を確認していきましょう。