かつて話題になった「老後2000万円問題」。当初ほど聞かなくなりましたが、この問題はもっと深刻になっているという見方もあります。

インフレが進む中、2000万円では足りない可能性もあるのです。

そんな中、将来訪れる老後の生活の支えとなるのが年金です。

しかし、この年金もいろいろと懸念点があります。年金制度の持続性や支給額の不安など、年金を受け取れるなら安心とは言えない状況です。

そこで本記事では、実際に年金を受け取っている60歳から89歳までの受給額を1歳刻みで確認していきます。

自分が受け取れるであろう金額を把握して、安心できる老後の為の備えを考えていきましょう。

1. 次回の年金支給は8月15日!2か月ぶりの支給へ

年金は基本的に偶数月の15日に支給されるため、次回の年金支給日は8月15日です。

実は6月14日支給分から、年金額は2.7%増額されました。

1.1 一般家庭の2024年度の年金額例

【写真1枚目/全7枚】2024年度の年金額の例。次の写真で1歳刻みの受給額をチェック

2024年度の年金額の例

出所:厚生労働省「令和6年度の年金額改定についてお知らせします」をもとにLIMO編集部作成

  • 国民年金:満額で6万8000円(1人あたり)
  • 厚生年金:一般的な夫婦合計で23万483円

増額と聞くと「年金制度は不安定と思っていたが、増えているんだ」と希望を持つ方もいるでしょう。

ただし、2.7%を上回る物価上昇が起こっているため、ここまであがらなければ「実質は減額」といえるものです。インフレ化において、年金制度の動向は非常に気になるポイントです。

また、上記の厚生年金の金額は”平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43万9000円)で40年間就業した場合、受け取り始める「老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額)」”という条件のもと試算されたものなので、あくまでも目安のひとつです。

現在は共働き世帯が増えているため、現役世代にとってはあてはまらないことが多いでしょう。

記事の最後では、夫婦の報酬ごとの年金試算額も掲載しています。次章では1歳刻みで年齢ごとの年金受給額を見ていきましょう。