2024年7月5日、公的年金の積立金を運用する機関GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は、国内外の株価の上昇や円安を背景に、昨年度の運用実績が過去最大の45兆円4000億円余りの黒字になったと発表しました。
国内外の株価が上昇したことに加えて円安が進んだことで、収益がさらに押し上げられることとなり、黒字はこれで4年連続です。
さて、老後に受け取る公的年金からも「天引き」されるお金があることをご存知でしょうか。
今回は、そんな年金のしくみの基本をおさえたあと、今のシニアの方々の年金受給の状況、また年金から天引きされるお金について詳しく見ていきましょう。
1. 【厚生年金と国民年金】公的年金制度は2階建て
国民年金と厚生年金から成り立つ、日本の年金制度の基本をおさらいしましょう。まず、それぞれの年金制度のあらましから。
1.1 国民年金
国民年金の加入対象は、原則、日本に住む20歳以上60歳未満の人全員です。年金保険料は全員一律で、2024年度月額 1万6980円。これを40年間(480カ月)もれなく納付することで、老後に満額の国民年金を受給できます。
未納期間や免除期間については、月数に応じて満額から減額される仕組みです。
1.2 厚生年金
公務員や会社員などのサラリーマンは、国民年金に上乗せして厚生年金に加入します。
厚生年金保険料は、収入に応じて決まります(ただし上限あり)。そして、年金加入期間や納めた保険料により、老後の受給額に個人差が出るのも特徴です。
次では、今のシニアが実際に受け取っている年金額に関する資料を見ていきます。