2024年7月26日、厚生労働省より発表された「令和5年簡易生命表の概況」によると、2023年の平均寿命は男性81.09年、女性87.14年で、男女とも3年ぶりに前年を上回りました。
1995年時点では男性76.38年、女性82.85年でしたので約30年間で平均寿命が約4年延びていることがわかります。
当然ですが寿命は予測できるものではありません。長生きを想定して老後対策を進めておく必要があるでしょう。
本記事では、2023年12月に厚生労働省から公表された「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに、最新の厚生年金と国民年金の受給額を確認していきます。
現シニア世代の年金収入がどれくらいかを眺めながら、老後に向けて「何をすべきか」を考えていきましょう。
1. 公的年金制度「国民年金・厚生年金」の仕組みを確認する
日本は国民皆年金。原則として日本に住む20歳以上60歳未満のすべての人が「国民年金」に加入する義務があります。
また会社員や公務員などは国民年金に上乗せして厚生年金に加入することから、公的年金制度は国民年金と厚生年金の「2階建て」と言われています。
国民年金・厚生年金のそれぞれの仕組みを確認していきましょう。
1.1 国民年金(1階部分:基礎年金)
- 原則、日本国内に住む20歳以上60歳未満の全員に加入義務がある
- 保険料は一律(年度ごとに改定あり)※2024年度は月額1万6980円
- 保険料の納付期間に応じて将来もらえる年金額が決まる※2024年度の満額は月額6万8000円
なお、国民年金の被保険者は第1号~第3号の3つに分類されます。
- 第1号被保険者:20歳以上の学生や自営業者など
- 第2号被保険者:厚生年金にも加入する会社員や公務員など
- 第3号被保険者:第2号被保険者に扶養される配偶者
第1号被保険者は自身で国民年金保険料を納付する必要があります。第2号・第3号被保険者の国民年金保険料は、第2号被保険者が加入する厚生年金制度によって負担されます。
1.2 厚生年金(2階部分)
- 公務員やサラリーマンなどが国民年金に上乗せして加入する
- 毎月の給与や賞与などの報酬に応じた保険料を支払う(上限あり)
- 加入期間や保険料の納付額に応じて計算され、国民年金に上乗せして支給される
上記のとおり、国民年金と厚生年金は対象者や保険料・年金額の決定方法が異なります。
では、老後に受給する年金額はどれくらいなのか。次章で年金の平均月額を確認していきましょう。