5. 「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」でご自身の見込額を定期的にチェック
本記事では、老齢年金を受給するシニア世代の年金受給額を確認してきました。
平均月額は国民年金が月額5万円台、厚生年金が月額14万円台。
シニア世代の人たちは年金収入だけで生活できるのでしょうか。
厚生労働省の「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」によると、老後を年金収入だけで生活できる高齢者世帯は41.7%でした。半数以上の高齢者世帯が、年金以外の収入で生活費を補填しているようです。
こうした年金暮らしの実態を知ることで、老後対策の必要性・重要性をあらためて確認できたと思います。
現時点で10年後、20年後あるいは30年後の年金収入はわかりません。また、税金や社会保険料、物価などもわからないため、さまざまなリスクやケースを想定して老後対策を進めたいものです。
老後対策の第一歩として、まずは「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」年金見込額を確認しましょう。
大まかな老後収入を把握するだけで、老後資金を最低いくら準備すべきかが見えてきます。
なお、年金見込額から税金や社会保険料が引かれることも理解しておきましょう。額面の80~95%程度が手取り額と考えられます。
ただし、高齢者の社会保険料は年々増加しており、将来的には天引き額が増える可能性もあります。
こうした変化を見落とさず、適宜、マネープランを見直しながら老後対策を進めていきましょう。
参考資料
- 厚生労働省「令和5年簡易生命表の概況」
- 厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
- 厚生労働省「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」
和田 直子