4. 夏の風物詩 その2「お中元」とは?
次はお中元について。そもそも、お中元とは何のことで、なぜギフトを送るようになったのでしょうか。
お中元の発祥には諸説ありますが、中国の旧暦に由来する説が有力なようです。
道教の3人の神様の誕生日が上元(1月15日)、中元(7月15日)、下元(10月15日)とされており、中元に誕生日を迎える神様は、人の罪を許してくれる神様であると言い伝えがされ、贖罪として、人々が彼らの近隣の人に贈り物をしたというものです。
筆者もアルバイト先の店舗のオーナーさんから贈り物を頂き、こちらも贈り返すという儀礼を行いました。
一方で虚礼廃止ということで、企業間のお中元・お歳暮のやり取りは減っているようです。
個人的にも、筆者の幼少期はお中元やお歳暮でタオルなどが自宅に贈られてきていた記憶がありますが、最近ではめっきり減っています。
現状はどうなっているのでしょうか。調査概要から結果を見ていきましょう。
4.1 調査概要
- 地域:全国
- 調査方法:QIQUMOによるアンケート調査
- 調査人数:450人
- 調査時期:2024年6月
5. お中元やサマーギフトを送らない人は何割?
お中元・サマーギフトを送らない人はどのくらいいるのでしょうか。
- どちらも贈る:10.9%
- お中元のみ:14.4%
- サマーギフトのみ:2.9%
- どちらも贈らない:71.8%
なんと、71.8%の人がサマーギフト・お中元どちらも贈らないと回答しました。
どちらも贈ると回答した人の約7倍に。どちらかのみを贈る人で見ると、お中元のほうがサマーギフトより圧倒的に多いようです。
では、贈らない人はどうして贈らないのでしょうか。
5.1 お中元やサマーギフトを贈らない人はどうして贈らない?
お中元等を贈らない理由として、最も多い理由は何でしょうか。
「贈りたい相手がいない」が38%前後でトップに。次いで、「贈る文化が無い」「面倒」と続きます。
働く世代を対象に行った結果なので、「贈りたい相手がいない」ということは、人間関係の希薄化を象徴している事柄かもしれませんね。
次いで、年代別に贈る人・贈らない人を確認していきましょう。
5.2 【年代別】お中元やサマーギフトを贈る人は?
お中元やサマーギフトを贈る・贈らないに関して、年代別にギャップはあるのでしょうか。
お中元を贈る人に関しては、年代別には殆ど差が見受けられません。
サマーギフトを贈る人に関しては、はっきりと差が出ており、年代が上がるほど、贈らなくなっていくようです。
上記の表を参照すると、「贈る文化がない」「作法がわからない」中年以上の世代が多いからといえるでしょう。
個人的に、20歳代が最も贈る割合が高いという点は意外でした。
6. 夏の風物詩「うなぎ&お中元」伝統文化をたしなむ人は減っている
今回は、日本の夏の風物詩の中から、「土用の丑の日」と「お中元」について、それぞれの定義や、令和時代のリアルを見てきました。こうした伝統文化は全体的に衰退傾向にあると言えそうです。
一方で、若者を中心に、形式にとらわれない「贈り物」の文化はまだまだ維持されていくと考えられるでしょう。
いつになっても、人からのプレゼントはうれしいもの。
筆者は最近21歳の誕生日を迎えましたが、友人から貰った「700円のスターバックスのカード」のギフトがとても嬉しかったです。
お中元よりも響きが軽い、サマーギフトは今の若者にピッタリな贈り物といえるかもしれません。
今まで贈り物を送る環境になかった人も、まずは身近ないつもお世話になっている人に感謝の言葉を伝えることから始めてみてはいかがでしょうか。
参考資料
- デジタル大辞林(コトバンク)「土用」
- ギフト市場に関する調査を実施(2023年) | ニュース・トピックス | 市場調査とマーケティングの矢野経済研究所 (yano.co.jp)
- “土用の丑の日にうなぎを食べる”毎年必ずは14.0%、ほぼ毎年が22.7%!若い世代ほど国産へのこだわりは薄く、20代以下と60代以上で約1.9倍の差 | 株式会社mitorizのプレスリリース (prtimes.jp)
- 夏のギフト、約7割が贈らないと回答。「贈りたい相手がいない」、「贈る文化が無い」、働く世代ではギフト文化が希薄に!? | データコム株式会社のプレスリリース (prtimes.jp)
- 鰻(1):農林水産省 (maff.go.jp)
LIMO・U23編集部