2024年7月3日、「公的年金の健康診断」ともいわれる年金財政検証の結果が公表されました。
これによると、約33年後には現役世代の平均的な手取り額と比較した年金水準である「所得代替率」が減少する見通しです。
現在65歳の所得代替率は61.2%。現30歳の人が65歳になる頃の所得代替率は過去30年の経済成長を投影したケースでは2057年時点で50.4%まで減少すると予測されています。
現役世代の人たちが老齢年金を受給する頃には「年金が減らされる」わけですが、そもそも現シニア世代は年金を月額いくら受給しているのでしょうか。
厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに「国民年金・厚生年金」の平均月額を詳しく見ていきましょう。
1. 国民年金の平均月額はいくら?
厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、国民年金の平均月額は次のとおりです。
1.1 国民年金の平均月額
- 全体:5万6316円
- 男性:5万8798円
- 女性:5万4426円
1.2 国民年金の年金月額ごとの受給権者数
- 1万円未満:6万5660人
- 1万円以上~2万円未満:27万4330人
- 2万円以上~3万円未満:88万1065人
- 3万円以上~4万円未満:266万1520人
- 4万円以上~5万円未満:465万5774人
- 5万円以上~6万円未満:824万6178人
- 6万円以上~7万円未満:1484万7491人
- 7万円以上~:178万3609人
国民年金の平均月額は男女全体で5万6316円ですが、ボリュームゾーンは平均をやや上回る「6万円~7万円」。
国民年金は、日本に住む20歳以上60歳未満のすべての人が原則として加入する年金です。
一律の国民年金保険料(年度ごとに改定あり)を納付する義務があり、40年間の保険料納付月数により、老齢年金の年金額が決定します。
全期間の保険料を納付すれば満額を受給できますが、免除や未納期間があれば満額から減額されます。保険料の納付月数が国民年金受給額の個人差となるのです。
続いて、厚生年金についても見ていきましょう。