2. 生活保護における扶助の種類

生活保護で受けられる扶助は、以下の8つです。

  • 生活扶助
  • 住宅扶助
  • 教育扶助
  • 医療扶助
  • 介護扶助
  • 出産扶助
  • 生業扶助
  • 葬祭扶助

生活扶助・住宅扶助・教育扶助は個別に、医療扶助・介護扶助と出産扶助・生業扶助・葬祭扶助はまとめて解説します。

2.1 生活扶助

生活扶助は、生活に必要な食料品や日用品、衣服など、生活に必要な費用に対する扶助です。日常の暮らしで必要なもの全般に対して受けられ、光熱水費や食器代なども対象となります。

ただし、高級なアクセサリーなど、生活に不必要なものに対する扶助は出ません。必要最低限のものに対する支出のみ、扶助の対象となります。

支給される金額は「食料品などの個人的費用」「光熱水費などの世帯共通費用」を合算した金額です。「第1類基準額」と呼ばれる基準となる金額に世帯人数ごとの逓減率を掛け、世帯人数に応じた第2類基準額を足し合わせて算出します。

たとえば、60歳で1級地-1と呼ばれる自治体に住んでいる人(単身世帯)が生活扶助を受ける場合、扶助金額は以下のとおりです。

4万6930円(第1類基準額)×1(逓減率)+2万7790円(第2類基準額)=7万4720円

ただし、障がいのある人やひとり親世帯などは、加算額が追加で支給されます。

〈障がい者〉
・1級地

  • 身体障害者障害程度等級表1・2級に該当する者等:2万6810円
  • 身体障害者障害程度等級表3級に該当する者等:1万7870円

・2級地

  • 身体障害者障害程度等級表1・2級に該当する者等:2万4940円
  • 身体障害者障害程度等級表3級に該当する者等:1万6620円

・3級地

  • 身体障害者障害程度等級表1・2級に該当する者等:2万3060円
  • 身体障害者障害程度等級表3級に該当する者等:1万5380円

〈ひとり親世帯〉
・1級地

  • 児童1人の場合:1万8800円
  • 児童2人の場合:2万3600円
  • 児童3人以上の場合(1人につき):2900円

・2級地

  • 児童1人の場合:1万7400円
  • 児童2人の場合:2万1800円
  • 児童3人以上の場合(1人につき):2700円

・3級地

  • 児童1人の場合:1万6100円
  • 児童2人の場合:2万200円
  • 児童3人以上の場合(1人につき):2500円

〈児童を養育する場合〉

  • 1万190円(児童1人につき)

また、現行の制度では1人あたり1000円の特例加算などが追加で支給されています。

なお、支給額は自治体の級地ごとに異なります。支給対象となる場合は、自分の住む自治体の級地を確認しておきましょう。