2.2 住宅扶助

住宅扶助は、家賃や地代といった住宅にかかる費用に対する扶助です。生活保護を受給する際は、すでにローンを払い終えた持ち家などを除き、原則土地や家屋の売却が必要です。

その代わり、保護を受給することになれば家賃や敷金・礼金といった費用に対して扶助を受けられます。

基準額は、以下のとおりです。

  • 1級地:5万3700円
  • 2級地:4万5000円
  • 3級地:4万900円

支給される金額は自治体によって異なります。生活保護を受給する際に賃貸物件に住む際は、できる限り扶助の金額を超えない賃料の物件に住むようにしましょう。

2.3 教育扶助

教育扶助は、義務教育にかかる費用に対する扶助です。教材費やPTA会費、給食費などの支出が扶助の対象となります。支給基準額は、以下のとおりです。

  • 小学生:2600円
  • 中学生:5100円

教育扶助は小中学生の子どもがいる世帯には支給されますが、子どもがすべて高校生以上の世帯には支給されません。

高校の教育費に関して支援を受ける場合は、後述する「生業扶助」が該当します。

また、文部科学省では「高等教育の修学支援新制度」を実施しているため、そちらの活用も検討しましょう。

もし子どもが大学進学を目指す場合は、日本学生支援機構の「給付型奨学金」の申し込みも検討するとよいです。

2.4 医療扶助・介護扶助

医療扶助は医療サービスに対して、介護扶助は介護サービスに対しての扶助です。

支給は生活保護の受給者ではなく、医療機関や介護事業者に支払われます。その代わり、本人は病院や介護事業所での費用負担がありません。

対象となる主な医療サービスや介護サービスは、以下のとおりです。

〈医療サービス〉

  • 診察
  • 薬の処方
  • 医学的処置や治療、手術
  • 看護

〈介護サービス〉

  • 居宅介護
  • 福祉用具の利用
  • 住宅の改修
  • 施設介護

持病のある人や通院中の人でも、安心して医療や介護といった福祉サービスを受けられます。特に高齢の人にとっては、有用な扶助といえるでしょう。

2.5 その他の扶助

そのほかに受けられる扶助としては、以下のものがあります。

  • 出産扶助:出産費用を支給
  • 生業扶助:就労に必要な技能の修得にかかる費用を支給。高校就学費(月額5300円)も含まれる。
  • 葬祭扶助:葬儀費用(火葬代など)を支給

いずれも、定められた範囲内で実費支給される扶助です。出産や職業能力の開発、葬祭での支給というのは、健康保険や雇用保険に似た側面があるといえます。

また、高校は義務教育の範囲ではないため、就学費用については生業扶助で支給することとなっています。支給金額は、月額5300円です。