2.3 女性おひとりさま年金受給者の貯蓄額は?
次に、同じ厚生労働省のデータより、年金を受け取っているひとり暮らしの女性の貯蓄額を紹介します。
- 貯蓄なし:13.2%
- 100万円未満:13.0%
- 100~300万円:15.8%
- 300~500万円:10.5%
- 500~700万円:7.4%
- 700~1000万円:9.4%
- 1000~1500万円:7.9%
- 1500~2000万円:5.9%
- 2000~3000万円:4.6%
- 3000万円以上:5.0%
- 不詳:7.4%
上記から、貯蓄なし世帯が13.2%、また、500万円未満に半数以上が分布しています。一方、1000万円以上の高額の貯蓄がある世帯も4分の1近くになっています。
3. 女性おひとりさまの老後対策
これまでの内容を踏まえると、現在、年金を受給しているひとり暮らしの女性は、経済的に自立して生きられるように対策を立ててきた人が多いと考えられます。老後にひとり暮らしをするつもりの女性が安心して生活するためには、以下のような対策が必要となるでしょう。
- 現役時代からの貯蓄や資産形成
- 健康状態に問題なければ、年金をもらいながら働く
- 支出を見直し、切り詰めすぎない適切な生活費の管理
- 自宅の改修について計画を立てておく
- 健康状態によっては施設入居も視野に入れる
貯蓄や資産形成の目標額は生活費の不足分だけでなく、自宅の改修費や施設入居費なども加味して見積もる必要があります。金利の低い預貯金だけでなく、iDeCo(個人型確定拠出年金)やNISA(少額投資非課税制度)を活用すると、効率よく準備できるでしょう。
4. 現役時代から時間をかけて老後対策を
年金を受給しているひとり暮らしの女性は、年金だけで生活していくのは難しいものの、就労収入などでカバーしている実態が浮かび上がりました。これから年金生活を迎える人は、年金給付の削減や物価上昇といった現在より厳しい状況になる可能性があります。
早めに年金の見込み額を確認し、貯蓄や資産形成といった準備を計画的に進めていきましょう。また、健康を維持できるように、自己管理を心がけましょう。
参考資料
松田 聡子