3. 新NISAは結局とりあえずインデックス投資で良いのか
結論として、インデックス投資が初心者におすすめであるのは事実ですが、何も考えずに人気ファンドに投資することはおすすめできません。
なぜなら、投資家からの人気が高いS&P500や全世界株式(オルカン)だと、投資対象が株式のみに絞られてしまうためです。状況によっては、債券をはじめ他の投資商品にも分散したほうがリスクを抑えられます。
参考までに、私たちの年金を運用しているGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)では、次のような資産配分で運用が行われています。長期投資には株式以外にも資産を分散することが重要だとわかるでしょう。
人生においては、歳をとる、養う家族が増えるなど、さまざまな理由で「リスク許容度」が小さくなっていきます。時にはバランス型のファンドや債券ファンドなども検討し、適切な資産配分での運用を心がけることが大切です。
4. まとめにかえて
インデックス投資は確かにおすすめの投資手法ですが、いくつか落とし穴もあります。
人気のインデックスファンドであっても、金融危機などを皮切りに下落してしまうケースも少なくありません。過去、リーマンショックやITバブル、コロナショックなどにより大幅下落を経験してきました。
投資対象の分散も大切です。新NISAで投資できるのは「S&P500」や「オルカン」だけではありません。ご自身の「リスク許容度」に合わせ、バランス型のファンドや債券、金など、幅広い資産への投資も検討しましょう。
参考資料
- 金融庁「NISA口座の利用状況に関する調査結果の公表について」
- 内閣府ホームページ「金融市場における世界企業の評価」
- 経済産業省「コロナショックと世界経済の状況」
- 年金積立金管理運用独立行政法人「基本ポートフォリオの考え方」
北川 和哉