3. 公的年金の財政の検証結果

7月に実施された財政検証では、以下の項目についてシミュレーションしています。

  • 社会保険の加入要件を変更した場合の年金財政の状況
  • 国民年金の納付期間を延長した場合の年金財政の状況

それぞれの項目について解説しましょう。

3.1 社会保険の加入要件

財政検証で検討された項目の1つが「社会保険の加入要件」です。

現行制度では、社会保険の加入要件を以下のとおり定めています。

  • 従業員数が101人以上
  • 週の所定労働時間が20時間以上
  • 賃金が月額8万8000円以上
  • 2ヵ月を超える雇用の見込み有
  • 学生ではない

2024年10月以降は、企業規模の適用要件となる従業員数を51人以上に拡大します。

財政検証では、さらに企業規模の要件を撤廃した場合の財政状況をシミュレーションしました。

検証の結果、企業規模の適用要件を撤廃する方針となりました。

3.2 国民年金の納付期間延長

次に、国民年金の納付期間延長を検討していました。

現行制度では、国民年金は20歳から59歳までの納付期間となっています。

財政検証では、65歳まで納付期間を延長した場合もシミュレーションされました。

しかし、延長案の採用は見送りとなっています。

見送りの理由は、社会保険の加入者が増えたことによって、当初の想定よりも財政状況に余裕が生まれたためです。

次の財政検証で、納付期間の延長案が採用されるか、引き続き注目が集まります。

4. まとめにかえて

年金受給額と7月に行われた財政検証の検討項目について解説しました。

年金は2ヵ月ごとに支給されるので、毎月の家計管理が重要となります。

手取りから生活費に回す分を管理しながら、先々の生活に困らないようライフプランをたてましょう。

参考資料

川辺 拓也