60代の平均余命から見て、仮に60歳で定年した後の老後期間は20年以上にもなると言われています。

また公益財団法人 生命保険文化センターの「リスクに備えるための生活設計」によると、老後の生活に不安を感じている方が82.2%と、多くの方が不安を感じているようです。

人生100年時代と言われるいま、セカンドライフは何年続くか分かりません。

将来の年金受給額や老後資金としていくらあれば良いのかなど正解が不透明な中、現役世代の人たちはどのような備えをしていけばよいのでしょうか。

本記事では、2024年5月17日に公表された最新資料より、65歳以上の無職世帯の貯蓄事情とシニア世代の家計収支を見ていきます。ご自身の老後資金準備の参考にしてみてください。

1. 年金収入だけで生活できる高齢者世帯は41.7%という現状を知る

2024年7月5日、厚生労働省より発表された「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」によると、老後、年金収入だけで生活できる高齢者世帯は41.7%。

半数以上の高齢者世帯が、年金以外の収入で生活費を補填している様子がうかがえます。

【写真5枚】1枚目/公的年金・恩給の 総所得に占める割合別世帯数の構成割合、2枚目/65歳以上・無職夫婦世帯の平均貯蓄額

公的年金・恩給の 総所得に占める割合別世帯数の構成割合

出所:厚生労働省「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」

現役世代の人たちは、シニア世代のこうした現状から老後生活を想像し、各自、相応の準備を進めていく必要があります。