2. 【産業別】現金給与総額と消費者物価指数

2023年5月から2024年5月までの賃金の動きは下図の通りです。

2024年5月時点での数値を見ると、現金給与総額が消費者物価指数(3.3%)を上回っているのは、「建設業」「運輸業,郵便業」「情報通信業」「その他のサービス業」です。

過去1年間で見ると、全業種の賃金が消費者物価指数を下回ったタイミングもあります。

実質賃金は26ヶ月連続のマイナスという状況ですが、プラスに転換するには企業の賃上げが重要な要素となるでしょう。

続いて、2024年における賃上げの動向を見ていきましょう。

3. 2024年における賃上げの動向

日本労働組合総連合会は、2024年の春闘方針を下記のように定めています。

経済社会のステージ転換を着実に進めるべく、すべての働く人の生活を持続的に向上させるマクロの観点と各産業の「底上げ」「底支え」「格差是正」の取り組み強化を促す観点から、前年を上回る賃上げをめざす。賃上げ分3%以上、定昇相当分(賃金カーブ維持相当分)を含め5%以上の賃上げを目安とする。

引用:日本労働組合総連合会「2024 春季生活闘争方針」

こういった背景もあり、賃上げ率が5%を超える企業も見受けられます。