4. ご祝儀3万円が高いと感じるのも納得。単身の20歳代・30歳代の貯蓄事情とは

ここでは、単身の20歳代・30歳代の貯蓄額を見ていきましょう。

4.1 20歳代・単身世帯の金融資産保有額(金融資産非保有者含む)

  • 平均:121万円
  • 中央値:9万円

調査によると、20歳代の23.9%が貯蓄がない状況です。就職して間もないため貯蓄できるほど経済的に余裕がない人が多いと思われます。

貯蓄がない状態で結婚式に参列するとなれば、生活を切り詰めてご祝儀を捻出しなければならないこともあるでしょう。

また、100万円未満の貯蓄額の人は全体の23%です。100万円未満には貯蓄額が1万円に満たない人も含まれるため、多くの20歳代が貯蓄をそう多くはもっていないと考えられます。

まとまった貯蓄がある人であっても引っ越し代や賃貸物件の更新料などの支払いに向けて、お金を手元に残している人もいます。

4.2 30歳代・単身世帯の金融資産保有額(金融資産非保有者含む)

  • 平均:594万円
  • 中央値:100万円

30歳代になると、10年前後の社会人としてのキャリアをもつ人も増えてきます。このため、20歳代よりも貯蓄額の平均額も中央値も高くなっています。

とはいえ、金融資産非保有者は全体の34%におよびます。また、貯蓄額が1円~100万円未満の人は14.5%。貯蓄がない世帯を含めると、全体の半数近くを占めています。

一方、1500万円以上の貯蓄がある人は全体の10%ほどを占めています。

30歳代になると貯蓄額が二極化してきますが、貯蓄がほとんどない人も珍しくなく、この年代にとっても「ご祝儀3万円は高い」というのが一般的な価値観だと思います。

5. まとめにかえて

結婚式のご祝儀の相場はバブル時代から変わらず3万円が相場といわれています。

しかし、昨今の若者の経済事情を鑑みると、ご祝儀3万円は多くの人にとって負担に感じているように思います。

とはいえ、当日いただく料理や引き出物代を考えると、3万円が高いというわけでもないため、むずかしい問題となっているようです。

近年はさまざまなタイプの結婚式が受け入れられつつあるので、将来的には結婚式のご祝儀の相場が変わったり、結婚式の新たなスタイルも主流になったりするかもしれません。

また最近では「心から参列したいと思える人の結婚式にしか行かない」と考える人も少なくないようです。自分の気持ちや経済事情を考慮しながら考えてみてください。

仕事や経済状況を理由に結婚式に参列しなかったとしても、ささやかなギフトをプレゼントしたり、メッセージカードを贈ったりすることで、相手に思いが伝わるはずです。

参考資料

西田 梨紗