いよいよパリオリンピックがはじまります!
第33回オリンピック競技大会がフランス・パリを中心に開催されます。開催期間は2024年7月26日から8月11日まで。そして8月28日から9月8日までは、パラリンピックも開催されます。
パリでオリンピックが開催されるのは1900年、1924年に続いて、3回目。32競技329種目が実施され、開会式はパリ中心部を流れるセーヌ川が舞台になっています。
注目の開会式は2024年7月26日、現地時間19時30分、日本時間では翌日未明の27日午前2時30分にスタートします。時差もあるので、日本で応援する側は寝不足も心配ですが、出場する選手のみなさんには、全力を出し切っていただきたいですね。
さて「平和の祭典」ともいわれるオリンピックですが、世界中から参加者や観戦客が押し寄せることから、その開催地には莫大なコストがかかることでも知られています。
前回東京で行われたオリンピックの経費はどのくらいだったのでしょうか。
スポーツ庁が公表した「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の大会経費」によると、大会組織委員会が公表した数字と、会計検査院が報告した数字に大きな違いがあることがわかりました。
本記事では、まずこの差異について紹介していきます。
1. 【五輪のコスト】大会組織委員会が公表した経費と、会計検査院が公表した経費に2700億円以上の差異
組織委員会は、大会終了後の令和4年6月に、大会を開催、運営するために直接必要となる経費(大会そのものに必要な経費)をとりまとめました。
そして各費用の負担の内訳(組織委員会6404億円、東京都5965億円、国1869億円)を含めて、大会経費の総額を「1兆4238億円」と公表しています。
しかしながら、その後会計検査院が2022年12月公表した報告書によると、同大会の開催経費は、大会組織委員会の公表額よりおよそ2割多い「1兆6989億円」との調査結果になり、国会に提出しています。
2. 【五輪のコスト】「選手強化策」や「ドーピング対策」費用も国の経費として認定
国が負担した経費について詳細に見ていきましょう。
組織委員会が公表した1869億円という経費に対し、会計検査院では3641億円としています。これは、選手強化策やドーピング対策など、国や組織委などが計上していなかった支出も経費認定しているためです。
また検査結果を受け、検査院は、国および独立行政法人日本スポーツ振興センター(JSC)に対して「イベントのために国が負担する経費の総額(見込額)をイベントの実施までに適時に明らかにすること」や「イベント終了後にはその執行状況を明らかにし、また、イベント全体の経費の総額に関する情報を取りまとめて明らかにする仕組みをあらかじめ整備する」ことなど、複数の点に留意しするよう明記。
そしてその上で、大会終了後の課題について、関係者と相互に連携を図り、適切に対応していく必要があるとし、報告書を結んでいます。
オリンピックのような国際的イベントにおいて経費の膨張を防ぐには、第三者による確認・チェック体制を強化していくことが、より一層重要になると推察されます。
以上、組織委員会が公表した経費と会計検査院が報告した経費の差異についてご紹介しました。
3. オリンピックの公用語について
さて、パリオリンピックに話を戻しましょう。
今回の大会開催地「フランス」と、オリンピックの公用語には切っても切り離せない関係があります。
それはオリンピックの公用語についてです。
オリンピックの公用語を、皆さんはご存知でしょうか。
英語?
いいえ、正解は「フランス語」と「英語」になります。学生時代にフランス語を学んでいた筆者にとっては、少し誇らしい気持ちになります。
4. オリンピックの公用語が「フランス語」の理由
オリンピックの公用語について、オリンピック憲章(2021年8月8日から有効の最新版)には下記の記載があります。
規則23 言語
1. IOC の公式言語はフランス語と英語である。
2. IOC 総会では常にフランス語、 英語の同時通訳が提供されるものとする。 その他の言語が IOC総会で提供されることもある。
3.オリンピック憲章およびその他の IOC 文書で、 フランス語版と英語版のテキスト内容に相違がある場合は、 フランス語版が優先する。 ただし、 書面による異なる定めがある場合はその限りではない。
注目すべきは「3」の部分でしょう。
フランス語版と英語版のテキスト内容に相違がある場合は、 フランス語版が優先
つまり、フランス語の優位性を認めているのです。この点から、オリンピックの公用語は「フランス語」という場合もあります。
フランス語がオリンピックの公用語になった理由は、近代オリンピックの父と呼ばれるピエール・ド・クーベルタン、通称「クーベルタン男爵」の功績によるものです。
近代オリンピックは、このクーベルタン男爵の功績なくしてあり得ませんでした。
近代オリンピックの創始者 ピエール・ド・クーベルタン3/3
KOTL/shutterstock.com
「近代五輪の父」とよばれる彼に敬意を表し、彼の母語であったフランス語がオリンピック公用語になったのです。
なお、オリンピックの開会式など「フランス語」→「英語」→「開催国の言語」の順で国名が紹介されます。
東京オリンピック・パラリンピックでは「フランス語」→「英語」→「日本語」の順番で、入場した国の名前が読み上げられています。
オリンピックの開会式では、アナウンスがフランス語から始まり、それに英語が続くことにも、ぜひ注目してみてください。
参考資料
- スポーツ庁「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の大会経費」
- 会計検査院 令和4年度決算検査報告「第1 東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた取組状況等について」
- TEAM JAPAN 「第33回オリンピック競技大会(2024/パリ)」
- オリンピック憲章〔2021年8月8日から有効〕
長島 迪子