2. 【五輪のコスト】「選手強化策」や「ドーピング対策」費用も国の経費として認定

国が負担した経費について詳細に見ていきましょう。

組織委員会が公表した1869億円という経費に対し、会計検査院では3641億円としています。これは、選手強化策やドーピング対策など、国や組織委などが計上していなかった支出も経費認定しているためです。

会計検査院の報告では、選手強化策やドーピング対策など、国や組織委などが計上していなかった支出も経費認定している

2つの数字の差異

出所:スポーツ庁「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の大会経費」

また検査結果を受け、検査院は、国および独立行政法人日本スポーツ振興センター(JSC)に対して「イベントのために国が負担する経費の総額(見込額)をイベントの実施までに適時に明らかにすること」や「イベント終了後にはその執行状況を明らかにし、また、イベント全体の経費の総額に関する情報を取りまとめて明らかにする仕組みをあらかじめ整備する」ことなど、複数の点に留意しするよう明記。

そしてその上で、大会終了後の課題について、関係者と相互に連携を図り、適切に対応していく必要があるとし、報告書を結んでいます。

オリンピックのような国際的イベントにおいて経費の膨張を防ぐには、第三者による確認・チェック体制を強化していくことが、より一層重要になると推察されます。

以上、組織委員会が公表した経費と会計検査院が報告した経費の差異についてご紹介しました。

3. オリンピックの公用語について

さて、パリオリンピックに話を戻しましょう。

今回の大会開催地「フランス」と、オリンピックの公用語には切っても切り離せない関係があります。

それはオリンピックの公用語についてです。

オリンピックの公用語を、皆さんはご存知でしょうか。

英語?

いいえ、正解は「フランス語」と「英語」になります。学生時代にフランス語を学んでいた筆者にとっては、少し誇らしい気持ちになります。