6月21日に、岸田文雄内閣総理大臣は、年金世帯や低所得者世帯への追加給付の検討を公表しました。こうした世帯のなかには、住民税が非課税となっている世帯も多いでしょう。住民税が非課税の世帯には、自治体によって料金の減免や優遇措置が適用される場合があります。
収入が年金のみになっても、私たちは社会保険料を支払い続けなければなりません。非課税世帯への優遇措置を考慮すると、課税対象者と非課税対象者とでは年金の手取り金額も変わってくるでしょう。果たして、どのような優遇措置があり、年金の手取り金額はどれくらい変わるのでしょうか。
この記事では、住民税非課税世帯への優遇措置や課税世帯との年金手取り金額の比較、年金世帯・低所得者世帯への政府施策について解説します。
1. 高齢者の住民税非課税世帯は何世帯?
厚生労働省の「令和5年度国民基礎生活調査」によれば、65歳以上の住民税課税世帯・非課税世帯の数は、以下のとおりです。
- 全世帯:2504世帯
- 住民税課税世帯:1549世帯
- 5万円未満:507世帯
- 5~10万円:254世帯
- 10~15万円:164世帯
- 15~20万円:119世帯
- 20~25万円:80世帯
- 25~30万円:48世帯
- 30~35万円:34世帯
- 35~40万円:28世帯
- 40~45万円:26世帯
- 45~50万円:16世帯
- 50万円以上:71世帯
- 不詳:202世帯
- 住民税非課税世帯数:955世帯
調査対象の高齢者世帯2504世帯のうち1549世帯が住民税課税世帯となっています。よって、残り955世帯が非課税世帯と考えられるでしょう。割合に換算すると約38%が非課税世帯に該当しています。よって、高齢者世帯の約4割が、年金受給額が少なく住民税が非課税になっているといえます。
では、住民税が非課税になる世帯の年収は、どれくらいなのでしょうか。次章で解説します。