5. 年金世帯・低所得者世帯への10万円給付の申請がスタート
政府が住民税非課税世帯への支援として行っているのが「給付金の支給」です。給付の対象は「2024年度から住民税が非課税となった世帯」で、世帯主に対して10万円、子どもがいる場合は子ども1人につき5万円を支給しています。
給付金は各自治体から案内が送られます。なかには、すでに案内が送付されている自治体もあるようです。たとえば、藤沢市では7月中旬に対象世帯へ案内を送付したと公表しています。また、杉並区も7月25日から給付金の受付を開始しています。
給付金の対象となりそうな人は、自治体からの案内を見逃さないようにしましょう。また、給付を受けるには原則自治体への申請が必要です。忘れずに申請手続きをしましょう。
政府は、住民税非課税世帯へ今後も継続的な支援を行う予定です。6月21日の岸田文雄内閣総理大臣の記者会見では、年金世帯を含む低所得者世帯への追加給付を行うことを公表しました。具体的な給付内容の策定は今秋ごろとしており、続報が待たれます。
6. まとめにかえて
年金が少なく住民税非課税となっている世帯は、高齢者世帯の約4割を占める結果となりました。収入が限られる分、充実した医療や介護を受けられるよう、保険料やサービス利用料員の免除・減免といった優遇措置が適用されています。
住民税課税世帯からすれば「羨ましい」「自分たちの負担も減らしてほしい」と感じている人もいるでしょう。住民税課税世帯への経済施策としては「定額減税」が行われ、成果と課題が少しずつ見えてきたところです。次の国民への経済施策は何か、政府がいつ「次の一手」を打つのか、今後も注視していく必要がありそうです。
参考資料
- 首相官邸「岸田内閣総理大臣記者会見」
- 厚生労働省「令和5年国民基礎生活調査 世帯数,世帯主の年齢(10歳階級)・住民税額階級別」
- 東京都主税局「個人住民税」
- 国税庁「No.1600 公的年金等の課税関係」
- 九度山町「国民健康保険税の軽減、減免等について」
- 厚生労働省「介護保険の1号保険料の低所得者軽減強化」
- 全国健康保険協会「高額な診療が見込まれるとき(マイナ保険証または限度額適用認定証)」
- 独立行政法人 日本学生支援機構「高等教育の修学支援新制度の周知用リーフレット(予約)」
- 厚生労働省「サービスにかかる利用料」
- 厚生労働省「障害者の利用者負担」
- 国税庁「No.2260 所得税の税率」
- 札幌市「個人市民税」
- 札幌市「令和6年度国民健康保険料の目安 65歳以上の公的年金収入の場合」
- 札幌市「65歳以上の方(第1号被保険者)の介護保険料」
- 藤沢市「令和6年度に新たに住民税非課税・住民税均等割のみ課税となる世帯への給付金(10万円)のお知らせ」
- 杉並区「令和6年度新たな住民税非課税世帯等に対する物価高騰対策支援給付金(10万円)の支給」
石上 ユウキ