4.3 理由③介護保険料の見直し
65歳以上の方が納める介護保険料は、3年ごとに金額を見直す仕組みが採用されています。2021〜2023年(第8期)の全国平均保険料基準額は6014円でした。2024〜2026年にあたる第9期では、3.5%増額された6225円になると公表されています。
2000〜2003年(第1期)の全国平均基準額2911円と比較すると、約2倍以上の保険料です。介護保険料の増額に伴って65歳以上の世帯では負担が大きくなることが予想されます。
5. 年金・増税・介護保険料などの問題に対処するには?
老後を迎えるうえで年金・増税・介護保険料など、さまざまな問題があります。老後を豊かに過ごすためにも、現役世帯のうちから準備を整えておくことが大切です。
しかし、いざ老後の資金準備を開始しようと思っても、具体的に何から着手すればよいのか迷ってしまう方もいるのではないでしょうか。
世帯ごとに年収や年齢が異なるため、理想の老後生活を送るのにいくら必要なのか算出するのも答えを出しにくい問題です。
なかなか行動に移せない場合は、お金のプロに相談するのも選択肢のひとつです。家計の状況や目標を踏まえて、やるべきことを明確にアドバイスしてもらえるでしょう。
将来に備えて家計改善や資産運用の必要性がある場合は、お金のプロの意見をもとに、老後の準備を進めてみてください。
6. まとめ
物価上昇や可処分所得の減少により、65歳以上のシニア世帯は今後も生活が苦しくなる可能性があります。
特に貯蓄300万円未満に該当しており、家計収支が赤字になっている世帯の方は支出の見直しを図って貯蓄を増やしておくと安心です。
公的年金制度は物価の変動などを考慮して、年金額が改定される法律が定められています。
2024年6月には2.7%増額することが公表されました。例えば、国民年金では2024年度より1750円ほど引き上げられる見込みです。
ただし、増税や介護保険料の見直しなどを踏まえると、世帯ごとに対策を講じる必要があるでしょう。
参考資料
- 首相官邸「岸田内閣総理大臣記者会見(2024年6月21日)」
- 総務省「家計調査報告 家計収支編 2023年(令和5年)平均結果の概要」
- 内閣官房「「デフレ完全脱却のための総合経済対策」について」
- 厚生労働省「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 国民年金機構「国民年金はどのような人が加入するのですか。」
- 国民年金機構「厚生年金保険に加入の方(会社員・公務員など)」
- 総務省統計局「家計調査報告 2023年(令和5年)平均結果の概要(二人以上の世帯)」
- 総務省統計局「消費者物価指数のしくみと見方」
- 総務省「2020年基準消費者物価指数 全国 2024年(令和6年)6月分」
- 日本銀行「経済・物価情勢の展望(2024年4月)」
- 総務省「地方消費税」
- 厚生労働省「全国の地域別介護保険料額と給付水準を公表します」
- 厚生労働省「第9期計画期間における介護保険の第1号保険料について」
- 厚生労働省「令和6年度 介護納付金の算定について(報告)」
- 厚生労働省「令和6年度の年金額改定についてお知らせします ~年金額は前年度から2.7%の引上げです~」
湯田 浩平