3. パートで働く人が「社会保険」に加入するメリットとデメリット
社会保険に加入するメリットは以下のとおりです。
- 将来受給できる年金額が増える
- 年収の壁を気にする必要がなくなる
- 健康保険に加入するため傷病手当金・出産手当金の対象になる
先ほど「月収10万円で15年働くと年金はいくら増えるか」をシミュレーションしました。
厚生年金は、標準報酬月額が高いほど、加入期間が長いほど受け取れる金額が増える仕組みとなっています。
これまで106万円の壁や130万円の壁を意識して年収を抑えていた場合、社会保険に加入すれば、そもそも壁を気にする必要がなくなります。
出勤日数が増えれば月収も増え、受け取れる年金額を増やせます。
収入を年収の壁の範囲内に収める場合よりも、結果的に経済的なメリットが大きくなるケースも考えられるでしょう。
公的年金は終身に渡って支給されるため、老後生活の軸となる収入です。終身に渡る収入が増えれば、多少なりとも老後生活に安心感をもたらしてくれる可能性があります。
また、健康保険に加入すると傷病手当金・出産手当金の対象になります。
家族の扶養に入っている場合や国民健康保険に入っている場合は、傷病手当金・出産手当金の制度がありません。
このように、社会保険に加入すると社会保障が手厚くなるメリットがあります。生活に安心感をもたらしてくれるでしょう。
一方、デメリットとされる部分もあります。
社会保険に加入するデメリットは、社会保険料の納付による手取り収入の減少です。
家族の扶養に入っている方の場合、自分で納める社会保険料はゼロ円ですから、社会保険料が天引きされることに抵抗を覚えることもあるでしょう。
ただし、社会保険に加入するメリットを考えると、一概に社会保険に加入することが悪とも限りません。メリットを含めて、トータルで考えることが大切です。
4. 2024年10月から社会保険の適用が拡大予定! パートの方は要チェック
2024年10月から新たに社会保険に加入する可能性がある方は、どのような影響があるのか早い段階から調べておきましょう。
手取額が減るデメリットはありますが、社会保険に加入するメリットもあります。
社会保障給付が手厚くなれば、生活に安心感をもたらしてくれるでしょう。
参考資料
- 厚生労働省「従業員数100人以下の事業主のみなさま」
- 厚生労働省「社会保険適用拡大特設サイト」
- 日本年金機構「短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大」
- 日本年金機構「は行 報酬比例部分」
- 政府広報オンライン「パート・アルバイトの皆さんへ 社会保険の加入対象により手厚い保障が受けられます。」
柴田 充輝