2024年7月3日から新紙幣の発行がスタートしました。

新紙幣は金融機関の窓口やATMを通じて流通され、今後印刷量が増えるとともに私たちが手にする機会も増えることが想定されます。

新紙幣の流通は楽しみが感じられる一方、古い紙幣の取り扱いも気になるポイントです。

中には「古いお札のタンス預金がある」という人もいるかもしれません。

本記事では、新札発行後の古い紙幣の取り扱いについて解説します。

記事の後半では、紙幣が破損していた場合の取り扱いについても紹介しますので、タンス預金の整理をするときの参考にしてください。

1. 昔の紙幣は今でも使える

紙幣はおよそ20年ごとに改刷が行われますが、新しい紙幣が発行された後も古い紙幣の効力が失われることはありません。

紙幣は「日本銀行法」によって「無制限に通用する」と定められており、法的に特別な措置が取られない限りは引き続き紙幣として使用することが可能です。

すでに発行が停止されている紙幣でも、現在も引き続き使える紙幣は全部で21種類あります。

直近まで発行されていた福沢諭吉の一万円札や、樋口一葉の五千円札だけでなく、明治時代に発行が開始された一円札なども変わらず紙幣としての効力を持っています。

 

 

1.1 古い紙幣のタンス預金を見つけたらどうすべき?

自宅の整理をしていると、古い紙幣のタンス預金を見つけることもあるかもしれません。

筆者は銀行員として窓口業務に携わった経験がありますが、「聖徳太子の一万円札が出てきた」と窓口に持ってこられる方も多くいらっしゃいました。

古い紙幣であっても現在も利用できますので、慌てて銀行へ両替などに行く必要はありません。

ただし、自宅に現金を保管することは、防犯上の観点からはできるだけ避けた方がよいといえます。

災害・火災などで失ってしまうリスクも軽視できません。

少しの金額であればリスクは少ないかもしれませんが、タンス預金の金額によっては預金へ預け入れることを検討してみましょう。

2. 破れたり汚れたりした紙幣は交換が可能

アルミニウムや銅でできている硬貨と違い、紙で作られている紙幣は破れたり汚れたりすることも珍しくありません。

日本銀行によると、紙幣の寿命は長くても5年程度とされていることからも、紙幣は傷みやすいことが分かります。

長く現金で保管していたタンス預金を確認すると、「シミがついて汚れてしまった」、「湿気でボロボロになってしまった」ということもあるでしょう。

汚損、破損してしまった紙幣は、日本銀行の本支店で交換してもらうことができます。

交換が可能となる条件は下記の通りです。

  • 券面の3分の2以上が残存するもの
  • 券面の5分の2以上3分の2未満が残存するもの

たとえば、「紙幣を誤って破ってしまった」という場合でも、上記の面積が残っていれば新しい紙幣へと交換してもらえます。

交換を依頼する際は、事前に来店の予約をしたうえで現金を持ち込みましょう。

2.1 日本銀行以外の金融機関でも対応可能

汚れたり破れたりした紙幣の交換は、日本銀行以外の金融機関でも対応してもらえることがあります。

「近くに日本銀行の本支店がない」という場合は、いつも利用している金融機関の窓口で相談してみるとよいでしょう。

ただし、紙幣の状態によっては日本銀行による鑑定が必要となるケースもあります。

その場合は、交換に日数がかかりますのであらかじめ留意しておきましょう。

3. 「古いお札が使えなくなった」という詐欺に注意

新紙幣の発行に伴い、関連した詐欺行為が全国で多発しています。

中でも「旧紙幣が使えなくなるので、新紙幣と交換する」といって現金をだまし取ろうとする行為が多いようです。

お金にまつわる詐欺行為と聞くと、「高齢者を中心に狙われる」というイメージがあるかもしれません。

しかし、新紙幣に関する詐欺については若者世代も注意が必要です。

新紙幣への切り替えを初めて経験する若者は、「旧紙幣が使えなくなる」と聞くとそのまま信じてしまうことも想定されます。

大切な資産を守るためには、家族や友人間で「新紙幣に関連した詐欺が増えているみたいだよ」と注意喚起をするようにしましょう。

4. 旧紙幣はそのまま使うことができる

旧紙幣はそのまま使うことができる2/2

引き出しにしまった旧1万円札の写真

metamorworks/istockphoto.com

新紙幣の発行開始に伴い、新しいデザインの紙幣に注目が集まっています。

しかし、古い紙幣が使えなくなるわけではありませんので、タンス預金や手元にある現金をあわてて両替に行く必要はありません。

また、新紙幣発行に関連した詐欺行為にも注意が必要です。

すでに全国各地で「古い紙幣が使えなくなる」という理由で現金を回収に来る手口が多発しています。

他にも「新紙幣と交換するのでATMで振り込みをしてほしい」といったものなど、さまざまな手口が想定されますので十分注意するようにしましょう。

参考資料

椿 慧理