岸田総理は6月の記者会見で、年金世帯などの低所得者世帯への追加の給付金を検討していると発言しました。

物価上昇や少子高齢化の進行に歯止めがきかない昨今、シニア世帯も年金頼りに生活することはできなくなってきています。

今回は2023年12月に厚生労働省から公表された「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに、最新の厚生年金と国民年金の受給額を確認していきます。

1. 日本の公的年金の仕組み

公的年金制度は国民年金と厚生年金の2階建て構造となっていますが、そのしくみをおさらいしておきましょう。

【写真全11枚中1枚目】日本の年金制度のしくみ。以降では60歳代~90歳以上まで1歳刻みで年金の平均受給額を紹介

日本の年金制度のしくみ

出所:日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」等を参考にLIMO編集部作成

1.1 国民年金(1階部分:基礎年金)

  • 原則、日本国内に住む20歳以上60歳未満の全員に加入義務がある
  • 保険料は一律
  • 納付した期間に応じて将来もらえる年金額が決まる

1.2 厚生年金(2階部分)

  • 公務員やサラリーマンなどが加入する
  • 収入に応じた保険料を支払う(上限あり)
  • 加入期間や納付額に応じて将来もらえる年金額が決まる

2024年度の年金額は2.7%増額となっており、国民年金の満額は月額6万8000円です。

厚生年金は働き世代の間に支払った保険料や収入に応じて変動するので、個人差が大きくなります。

厚生年金の個人差について、次章で年齢ごとの平均月額を見ていきましょう。