近年続く物価高騰で年金世帯の家計状況は厳しいものとなっています。こうした状況下ですが、追い打ちをかけるように高齢者の社会保険料も上昇し続けています。
社会保険料は自治体ごとに基準額が異なっており、2024年度の介護保険料においては自治体によって約6000円の差があるところも。
本記事では、都道府県別における「介護保険料・後期高齢者医療保険料」の保険料基準額について紹介していきます。
お住まいの地域の保険料が、他の地域よりも高いか・低いかを比較していきましょう。
1. 介護保険制度とは?2024年度の平均額は6225円
介護保険制度とは、高齢者となり介護が必要になった人を社会全体で支えるための制度で、40歳になると自動的に加入することになります。
保険料の納付は一生涯続き、「介護が必要になったから」といって保険料納付が終了することはありません。
なお、40歳〜65歳未満の間は、健康保険に含まれて徴収されますが、65歳以上からは健康保険とは別で年金から天引きされるようになります。
65歳以上が払う保険料の基準額は3年ごとに見直しが行われており、創設以降、基準額が増加し続けています。
2024年度は改定の年となりましたが、今回の見直しでも保険料の基準額は3.5%の増加となりました。
- 第8期(2021年度~2023年度):6014円
- 第9期(2024年度~2026年度):6225円
では具体的に、各都道府県の介護保険料の基準額はどのくらいなのでしょうか。
次章にて、都道府県別の介護保険料の基準額を確認していきましょう。
2. 【都道府県別】2024年度の介護保険料の基準額はいくら?
厚生労働省の「第9期計画期間における介護保険の第1号保険料について」によると、各都道府県の2024年度の介護保険料の基準額は下記のとおりです。
2.1 都道府県別の介護保険料基準額
【2024年度の月の保険料基準額(保険料基準額の伸び率)】
- 北海道:5738円(0.8%)
- 青森県:6715円(0.6%)
- 岩手県:6093円(1.0%)
- 宮城県:6098円(2.7%)
- 秋田県:6565円(1.2%)
- 山形県:6058円(-0.9%)
- 福島県:6340円(3.8%)
- 茨城県:5609円(2.3%)
- 栃木県:5773円(2.1%)
- 群馬県:6203円(1.1%)
- 埼玉県:5922円(8.0%)
- 千葉県:5885円(9.3%)
- 東京都:6320円(3.9%)
- 神奈川県:6340円(5.2%)
- 新潟県:6412円(1.7%)
- 富山県:6327円(0.4%)
- 石川県:6354円(0.1%)
- 福井県:6223円(-0.3%)
- 山梨県:5744円(-0.7%)
- 長野県:5647円(0.4%)
- 岐阜県:6094円(2.8%)
- 静岡県:5810円(2.3%)
- 愛知県:5957円(3.9%)
- 京都府:6608円(4.4%)
- 大阪府:7486円(9.7%)
- 三重県:6295円(2.0%)
- 滋賀県:5979円(-2.4%)
- 兵庫県:6344円(5.7%)
- 奈良県:6034円(3.1%)
- 和歌山県:6539円(0.0%)
- 鳥取県:6219円(-2.1%)
- 島根県:6432円(0.8%)
- 岡山県:6364円(1.5%)
- 広島県:6098円(1.9%)
- 山口県:5568円(2.2%)
- 徳島県:6515円(0.6%)
- 香川県:6219円(0.2%)
- 愛媛県:6438円(0.5%)
- 高知県:5809円(-0.1%)
- 福岡県:6295円(3.6%)
- 佐賀県:5983円(0.0%)
- 長崎県:6222円(-0.5%)
- 大分県:6235円(4.7%)
- 熊本県:6190円(-0.8%)
- 宮崎県:6038円(1.4%)
- 鹿児島県:6210円(-1.2%)
- 沖縄県:6955円(1.9%)
値上げ幅は最大9.7%の大阪府と、最低-2.4%の滋賀県の差があり、地域格差が拡大しています。
値上げ幅が大きい地域には、大阪府以外に、埼玉県や千葉県、東京都など、大都市圏が多く含まれています。
これは、高齢化や要介護度の割合が高いことが影響していると考えられます。
2.2 介護保険料の基準額が「低い地域」と「高い地域」
また、厚生労働省の同調査による、市町村別の介護保険料基準額が「低い地域」と「高い地域」は下記のとおりです。
- 介護保険料基準額が最も低い地域:東京都小笠原村 3374円
- 介護保険料基準額が最も高い地域:大阪府大阪市 9249円
市町村別における介護保険料が最も高い自治体は「大阪府大阪市」で9249円で、最も低い自治体は東京都小笠原村で3374円となっており、約6000円もの差が生じています。
大阪市の「大阪市介護保険事業の現状について」によると、大阪市では要介護(要支援)認定者数が全国的な出現率よりも大きく上回っています。
さらに、大阪市の49.2%が市町村民税非課税世帯であるため、財政を維持する目的から、基準額を高くせざるを得ないのだとうかがえます。
では、後期高齢者医療保険料はどうでしょうか。
次章にて、後期高齢者医療保険料の基準額も確認していきましょう。
3. 後期高齢者医療制度とは?2024年度の平均額は7082円
次に、後期高齢者医療制度について見ていきます。
後期高齢者医療制度とは、原則75歳以上(一定の障害があると認定された65歳以上の人)のすべての人が加入する「国民皆保険」で、高齢者の医療を支えるものとなっています。
後期高齢者医療制度の保険料も介護保険料と同様に増加傾向にあり、2024年度も値上げが決定しています。
その背景には「少子高齢化の影響」と「医療費の増加」が挙げられ、これらが要因となり1人あたりの負担額が増えているのだとうかがえます。
後期高齢者医療保険料は、下記の2種類の保険料を用いて計算されます。
- 均等割額:被保険者が均等に負担する保険料
- 所得割額:被保険者の前年の所得に応じて負担する保険料
上記をふまえ、2024年度の後期高齢者医療制度の平均保険料月額は「7082円」となりました。
2023年度の平均保険料月額は6575円であり、2024年度は7.7%増加していることがわかります。
では、都道府県別の場合はどうでしょうか。
次章にて「年金収入195万円」の年金受給者をモデルに、全国の保険料を比較していきましょう。
3.1 【都道府県別】2024年度の後期高齢者医療保険料の基準額はいくら?
厚生労働省の「後期高齢者医療制度の令和6・7年度の保険料率について」によると、各都道府県の2024年度の後期高齢者医療保険料の基準額は下記のとおりです。
【年金収入195万円の人の2024年度の保険料例】
- 北海道:6025円
- 青森県:5170円
- 岩手県:4583円
- 宮城県:5025円
- 秋田県:4808円
- 山形県:5017円
- 福島県:4937円
- 茨城県:5125円
- 栃木県:4883円
- 群馬県:5317円
- 埼玉県:4858円
- 千葉県:4775円
- 東京都:5044円
- 神奈川県:5213円
- 新潟県:4633円
- 富山県:5033円
- 石川県:5409円
- 福井県:5458円
- 山梨県:5685円
- 長野県:4845円
- 岐阜県:5167円
- 静岡県:5033円
- 愛知県:5858円
- 三重県:5212円
- 滋賀県:5119円
- 京都府:5886円
- 大阪府:6211円
- 兵庫県:5812円
- 奈良県:5667円
- 和歌山県:5808円
- 鳥取県:5608円
- 島根県:5345円
- 岡山県:5500円
- 広島県:5211円
- 山口県:6124円
- 徳島県:5792円
- 香川県:5617円
- 愛媛県:5460円
- 高知県:5833円
- 福岡県:6357円
- 佐賀県:5967円
- 長崎県:5508円
- 熊本県:6196円
- 大分県:6184円
- 宮崎県:5458円
- 鹿児島県:6275円
- 沖縄県:5913円
都道府県の中で後期高齢者医療保険料が最も高いのは福岡県で6357円、最も低いのは岩手県で4583円となりました。
介護保険料と同様に、後期高齢者医療保険料においても地域によって基準額に大きな差が生じていることがわかります。
ご自身の地域の基準額を今一度確認し、どのくらい年金から天引きされるかを事前に把握しておけると良いでしょう。
4. 年金から天引きされる保険料の基準額を確認しよう
本記事では、都道府県別における「介護保険料・後期高齢者医療保険料」の保険料基準額について紹介していきました。
少子高齢化が進んでいる日本において、今後もさらに保険料が増加する可能性は大いにあるといえます。
安心した老後生活を送るためにも、年金から天引きされる保険料の基準額を確認し、老後生活の家計設計は「天引き後の収入」でシミュレーションできると良いでしょう。
参考資料
- 厚生労働省「第9期計画期間における介護保険の第1号保険料について」
- 大阪市「大阪市介護保険事業の現状について」
- 厚生労働省「医療保険制度改革について」
- 厚生労働省「後期高齢者医療制度の令和6・7年度の保険料率について」
和田 直子