厚生労働省の公表した資料によると、2024年度において「標準的な夫婦」がもらえる年金額は約23万円でした。
上記は夫婦2人分の年金額例となりますが、夫婦で月20万円ほどを受給できるのは老後生活の大きな支えとなるでしょう。
しかし上記は「額面」の金額であり、ここから税金や社会保険料が天引きされるため、実際の手取り額はさらに少ないものとなります。
では、夫婦2人で「月額20万円」だった場合、実際の手取り額はいくらになるのでしょうか。
本記事では、夫婦2人で「額面の年金額が20万円」だった場合の、年金「手取り額」についてシミュレーションしていきます。
税金から天引きされている税金・社会保険料についても解説しているので、あわせて参考にしてください。
1. 年金から天引きされている「税金・社会保険料」
まずは、年金から天引きされている税金・社会保険料について見ていきましょう。
公的年金から天引きされる「税金・社会保険料」は、下記のとおりです。
- 国民健康保険料・後期高齢者医療保険料
- 介護保険料
- 所得税および復興特別所得税
- 個人住民税
それぞれの算出方法についても紹介しているので、ご自身の年金手取り額をシミュレーションする際の参考にしてください。
1.1 国民健康保険料・後期高齢者医療保険料
国民健康保険は、75歳未満の人が加入する公的医療保険で、75歳に到達した人は「後期高齢者医療保険」に切り替わり、年金から天引きされます。
国民健康保険料は、お住まいの地域によって保険料が異なるため、お住まいの自治体ホームページを確認してみてください。
1.2 介護保険料
介護保険料は、40歳以上64歳未満までの間は健康保険料に含まれて支払われていますが、65歳以降からは単独での支払いとなり、こちらも年金から天引きされます。
介護保険料も健康保険料と同様に、保険料は自治体によって異なります。
一例として、東京都練馬区の場合の介護保険料は下図のとおりです。
例えば、前年の合計所得金額が120万円以上210万円未満の場合の介護保険料は10万4160円、210万円以上320万円未満の場合は12万120円となります。