1.3 所得税および復興特別所得税

所得税および復興特別所得税は、「所得金額から各種控除額を差し引いた額」に5.105%の税率をかけた額が、年金から天引きされます。

ここでいう所得金額とは、年金収入から「公的年金等控除額」を差し引いた金額を指します。

公的年金等控除額(所得が年金のみ、または年金以外の所得が年間1000万円以下の場合)は、下図のとおりです。

公的年金等控除額の早見表(65歳以上・65歳未満)

公的年金等控除額の早見表

出所:日本年金機構「所得金額の計算方法」

65歳以上の場合

  • 受け取る年金額(A):330万円以下・公的年金等控除額:110 万円
  • 受け取る年金額(A):330万円超 410万円以下・公的年金等控除額: (A)×25%+27万5千円
  • 受け取る年金額(A):410万円超 770万円以下・公的年金等控除額: (A)×15%+68万5千円
  • 受け取る年金額(A):770万円超 1000万円以下 ・公的年金等控除額:(A)×5%+145万5千円
  • 受け取る年金額(A):1000万円超 ・公的年金等控除額195万5千円

65歳未満の場合

  • 受け取る年金額(A):130万円以下 ・公的年金等控除額:60万円
  • 受け取る年金額(A):130万円超410万円以下・公的年金等控除額:(A)×25%+27万5千円
  • 受け取る年金額(A):410万円超770万円以下・公的年金等控除額: (A)×15%+68万5千円
  • 受け取る年金額(A):770万円超1000万円以下・公的年金等控除額:(A)×5%+145万5千円
  • 受け取る年金額(A):1000万円超 ・公的年金等控除額:195万5千円

上記から所得金額を算出し、基礎控除や社会保険料控除などを差し引いた額に、税率をかければ所得税が求められます。

1.4 個人住民税

住民税も所得税と同様に、一定額以上の所得がある場合は年金からの天引き対象です。

住民税の天引き額を求める計算式は下記のとおりです。

課税所得(所得-各種控除)× 住民税率+均等割額 - 調整控除額

「住民税率」や「均等割額」などは、自治体によって異なっていますが、一例として練馬区の場合はこのようになっています。

  • 住民税率:10%
  • 均等割額:5000円
  • 調整控除額:2500円

上記を計算式に当てはめ算出すれば、天引きされる住民税を求められます。

なお、所得税・住民税ともに、所得が一定額以下の場合は、非課税の対象となります。

特に夫婦2人で「月額20万円」の場合は、税金は非課税世帯の対象になる可能性が高いため留意しておけると良いです。

次章にて、夫婦2人で「額面の年金額が20万円」だった場合の、年金手取り額のシミュレーションをしていきましょう。