2024年10月から社会保険の適用事業所が拡大され、従業員51人以上の企業は社会保険への加入が必須となります。社会保険に加入するメリットの一つが「厚生年金」です。

厚生年金に加入すれば、国民年金と合わせて2つの年金を受け取れるため、老後の貴重な収入源を増やせます。

一方で、厚生年金は給与や加入期間などが受給額に影響するため、人によって受給額の差が生まれやすい年金でもあります。

特に「正社員」「パート」「アルバイト」のような雇用形態による受給金額の差は、自由な働き方やライフプランの妨げとなりかねません。

厚生年金の受給額は、雇用形態ごとでどの程度変わるのでしょうか。

この記事では、厚生年金の平均受給額や年金受給者の現役時代の雇用形態などを確かめながら、雇用形態ごとの厚生年金の受給金額差について解説します。

1. 厚生年金は「雇用形態ごと」に受給額が変わる?

厚生年金は、雇用形態ごとで受給金額が変わります。

主な雇用形態として「正社員」「パート」「アルバイト」「短期労働」などがありますが、正社員とそれ以外の形態での差が顕著です。

厚生年金の受給額は、給与・賞与の金額や厚生年金保険への加入期間が影響します。給与額が多く、加入期間が長いほど、受給額は増加します。

しかし、正社員とパートやアルバイトでは受け取れる給与額に差があります。厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」によれば、賃金格差は明白です。

【写真1枚目/全6枚】雇用形態ごとの平均賃金/老後の年金はいくら受け取れる?次ページで厚生年金の平均受給額一覧表を紹介

雇用形態ごとの平均賃金

出所:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査 結果の概要 雇用形態別」をもとに筆者作成

  • 正規雇用:336万3000円
  • 非正規雇用:226万6000円

パートやアルバイトなどの非正規雇用では、正規雇用者の6割程度の賃金しか受け取れません。その分、厚生年金受給額も減ってしまうのです。