2. 厚生年金の平均受給額は「月額約14万円」
厚生年金の平均年金月額は14万3973円です。内訳は、以下のとおりとなっています。
- 男子の平均年金月額:16万3875円
- 女子の平均年金月額:10万4878円
男女で約6万円の差があることがわかります。男子は月額15〜19万円付近に受給権者数が多く分布していますが、女子は8〜11万円付近への受給権者数の分布が目立ちます。
女性は結婚や出産を機に退職するケースが見られることから、厚生年金保険への加入期間が減り、受給金額が少なくなっていると考えられます。
また「子育てと仕事を両立したい」「社会保険料の負担を避けたい」などの理由からパートやアルバイトで働くケースがあることも、平均年金月額に影響しているといえるでしょう。
3. 65歳以上・年金受給者の現役時代の雇用形態
では、年金受給者の現役時代の雇用形態は、どのようになっていたのでしょうか。
厚生労働省の「年金制度基礎調査(老齢年金受給者実態調査)」をもとに、男女別に分けて確かめてみましょう。
3.1 男性
男性の厚生年金の平均年金月額:16万3875円
- 正社員中心:71.9%
- 常勤パート中心:1.9%
- アルバイト中心:0.8%
- 会社などの役員中心:4.6%
- 自営業中心:13.0%
- 収入を伴う仕事をしていない期間中心:0.2%
- 中間的な経歴:2.6%
- 不詳:4.9%
男性の雇用形態は7割超が正社員中心となっています。仕事をしていない期間中心の人はわずか0.2%で、多くの人がリタイアまで社会で活躍していることがうかがえます。
3.2 女性
女性の厚生年金の平均年金月額:10万4878円
- 正社員中心:24.1%
- 常勤パート中心:19.9%
- アルバイト中心:2.6%
- 会社などの役員中心:1.7%
- 自営業中心:14.4%
- 収入を伴う仕事をしていない期間中心:16.5%
- 中間的な経歴:11.9%
- 不詳:9.0%
女性の雇用形態は男性と比べて働き方にバリエーションが多く、正社員やパート、自営業が中心となっている人が多いようです。
仕事をしていない期間中心の人も16.5%おり、専業主婦として家庭を支えていた人も多いことがわかります。