新しいNISA(以下、新NISA)導入後半年が経過し、年始から盛り上がっていた投資熱は若干落ち着いてきたように感じます。

その一方で、iDeCoの拠出限度額の引き上げが検討されるなど、政府は「資産運用立国」実現のため、投資活動のさらなる活性化を目指しています。

このように投資を始めやすい環境にある今でも、iDeCoや新NISAを始めていない人は多いと聞きます。金融リテラシーの不足や投資に対する漠然とした不安感を抱えていることが影響しているようです。

投資を始めていない人はどれほど多いのでしょうか。また、なかなか投資に踏み出せない人は、何をすれば金融リテラシーを身につけられるのでしょうか。

社会人向け金融教育を行ってきた元銀行員の私が、その経験をもとに、具体的な方法をご紹介します。

1. NISA口座開設率は約3割、投資を行わない人はどのような人か

まずNISAの口座開設率について見ていきましょう。

2024年4月に公開された日本証券業協会の「NISA口座の開設・利用状況」によると、NISA口座を開設していない人は66.6%に及び、特に50歳以上60歳未満は70.3%と7割も占めることがわかります。

実際は大多数の人がNISAを始めていないことがわかります。どのような理由で始めていないのでしょうか。