新サービスや試作品の開発には、お金がかかります。設備の導入、ソフトウェアの開発費などなど。実はこういうときに使える補助金を国や自治体が用意しています。使えるものであれば、こうした補助金を使って効率的に開発を進められたらいいですよね。今回は、ものづくりやソフトウェア開発などをサポートしてくれる補助金の一例をご紹介します。

「ものづくり補助金」

ものづくり補助金とは、革新的なサービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善などを行う中小企業を支援するための補助金です。平成29年度補正予算分の正式名称は「ものづくり・商業・サービス経営力向上支援補助金」といいます。

「ものづくり」と聞くと製造業用の補助金と思われがちですが、そんなことはありません。これまで世の中にないような革新的なサービスの開発も含まれるため、ITサービス業を始め多くの会社にチャンスがあります。

29年度補正予算分のものづくり補助金は、機械装置などの設備導入や、技術導入費、運搬費、専門家経費、クラウド利用費などの開発にかかる経費が最高1,000万円補助されます(一般型は1,000万円、小規模型が500万円)。

ものづくり補助金は掛かった経費の2分の1が補助されます。2,000万円の投資を行い、1,000万円が補助されるイメージです。

ただし、3分の2にできる場合もあり、一般型の応募で経営革新計画の認定を受けたり、新たに施行予定の先端設備等導入計画の認定を取得したり、小規模型に取り組む小規模事業者の場合などが対象です。3分の2の場合は1,500万円使えば1,000万円が補助されますので、効率よく補助金が受けられます。

なお、29年度補正予算分では1次公募は5月1日で終わってしまいましたが、2次公募が予定されています。

「東京都新製品・新技術開発助成事業」

新製品・新技術開発助成事業は、技術力の強化及び新分野の開拓を促進し、東京の産業の活性化を図ることを目的とした補助金です。

新製品・新技術の研究開発や新たなソフトウェアの研究開発、新たなサービス開発のための研究開発にかかる機械装置の導入費や外注費、直接人件費などが最高1,500 万円、掛かった経費の2分の1が補助されます。

対象者は東京都内に主たる事務所を持つ中小企業者等、個人事業者、都内での創業予定者です。

こちらの補助金は、ものづくり補助金とくらべ直接人件費が対象になる点が大きく違います。新製品・新技術開発助成事業では500万円が上限ですが、内部の人件費を対象にできます。応募は例年2月くらいとなっています。

中野 裕哲