4. 年金高額受給者でも「老後は安泰」とは言い切れない

夫婦の支給額は「約27万円~約67万円」と明暗がわかれます。しかし、たとえ「約67万円」の高額受給者に該当するとしても、安泰とは言い切れません。

1回あたりの年金が67万円なので、月額にして33万4721円。これは夫が報酬54万9000円、妻が報酬37万4000円の場合の年金例ですから、現役時代に比べてかなり収入額が減る(▲58万8279円)ことになります。

老後は住宅ローン返済や子どもの教育費などが削減できるとはいえ、一度あがった生活水準を下げるのは簡単なことではありません。

それぞれの世帯の支出額に照らして、計画的にやりくりするのはどの家庭でも同じといえるでしょう。

なお、年金額はあくまでも額面であり、実際には税金や社会保険料が天引きされることに注意が必要です。

とくに保険料は年々上昇傾向にあるため、年金が高い人ほど負担に感じることもあります。

受給する前の「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」の数字も額面での記載なので、混同しないよう注意しておきましょう。

実際の振込額は、年金振込通知書という書類で確認できます。

年金振込通知書

年金振込通知書

出所:日本年金機構「年金振込通知書」