2024年6月25日、厚生労働省は公的年金の財政検証の結果を7月3日に公表すると発表しました。
この検証結果を受け、年金の制度改正に向けた議論が交わされます。今後、どのように制度が改正されるのか注目です。
さて、少子高齢化が加速する中、老齢年金の支給額に対する不安の声は高まる一方です。
そこで今回は、2023年12月に厚生労働省から公表された「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに、最新の厚生年金と国民年金の受給額を確認していきます。
シニア世代の年金生活を年金受給額からイメージして、老後に向けて何をすべきかを考えていきましょう。
1. 公的年金「厚生年金・国民年金」の仕組み
公的年金といっても、現役時代の過ごし方・働き方によって「国民年金」か「厚生年金(含、国民年金)」か、加入する年金が異なり、老後の年金額にも大きな違いが生じます。
そのため、最初に公的年金の仕組みを簡単に確認しておきましょう。
公的年金は上図のとおり、国民年金とその上に厚生年金が位置することから「2階建て」といわれています。
1.1 国民年金(1階部分:基礎年金)
- 原則、日本に住む20歳以上60歳未満の全員が加入
- 保険料は一律(2024年度:月額1万6980円)
- 保険料納付期間に応じて、将来もらえる年金額が決まる
1.2 厚生年金(2階部分)
- 公務員やサラリーマンなどが国民年金に上乗せする形で加入
- 収入に応じた保険料を支払う(上限あり)
- 加入期間や納付額に応じて、将来もらえる年金額が決まる
上記のとおり、国民年金と厚生年金では対象者・保険料・年金額の計算方法が異なります。
では、老後の年金収入にどれほどの違いあるのか。次章でそれぞれの平均月額を確認してみましょう。