長引く物価高騰は、私たちの生活にも大きな影響を与えています。

2024年5月24日に発表された消費者物価指数では、総合指数が107.7となっており、前年同月比で2.5%も上昇している状況です。

物価高による負担の大きさから「恵まれた富裕層が羨ましい」、「富裕層だったらこんな苦労をしなくて済むのに」と感じることもあるでしょう。

たしかに、富裕層と聞くと「裕福な家庭で生まれて、お金で苦労していない」といったイメージを抱くかもしれません。

しかし、筆者は銀行員としての経験を通じて、「富裕層になるのは運だけではない」と感じることが多くありました。

本記事では、この20年の収入の推移を解説し、後半ではお金持ちに共通して見られる特徴について紹介します。

1. この20年で平均所得は減少している

富裕層のようにまとまった貯蓄を築くためには、安定した収入を得ることが欠かせません。

さまざまなモノの値段が上がる中、私たちの収入はどのように変化しているのでしょうか。

厚生労働省の「国民生活基礎調査」によると、2002年の平均所得額は602万円であるのに対し、2022年は545万7000円となっており、この20年で平均所得が56万円ほど減少していることが分かります。

【写真1枚目/全5枚】2002年の平均所得額は602万円。次の写真で直近のデータと比較する

2002年の平均所得額は602万円

出所:厚生労働省「国民生活基礎調査2002年」

2022年の平均所得額は545万7000円

2022年の平均所得額は545万7000円

出所:厚生労働省「国民生活基礎調査2022年」

また、一般的に高収入といわれる水準である「所得1000万円」の割合の推移についても見てみましょう。

同調査によると、2002年時点で所得1000万円以上の割合は全体の15.5%であるのに対し、2022年は12.6%となっており、約3%減少している状況です。