2. 年金の繰上げ・繰下げ受給を選択する割合は?

厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、「繰上げ受給」または「繰下げ受給」を選択した人は以下の通りとなっています。

2.1 厚生年金

厚生年金「繰上げ・繰下げ」受給状況の推移

厚生年金「繰上げ・繰下げ」受給状況の推移

出所:厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」

厚生年金受給権者の繰上げ・繰下げ受給状況の推移

  • 2018年:繰上げ受給率0.3%・繰下げ受給率0.7%
  • 2019年:繰上げ受給率0.4%・繰下げ受給率0.8%
  • 2020年:繰上げ受給率0.5%・繰下げ受給率1.0%
  • 2021年:繰上げ受給率0.6%・繰下げ受給率1.2%
  • 2022年:繰上げ受給率0.7%・繰下げ受給率1.3%

2.2 国民年金

国民年金「繰上げ・繰下げ」受給状況の推移

国民年金「繰上げ・繰下げ」受給状況の推移

出所:厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」

厚生年金受給権者の繰上げ・繰下げ受給状況の推移

  • 2018年:繰上げ受給率12.9%・繰下げ受給率1.3%
  • 2019年:繰上げ受給率12.3%・繰下げ受給率1.5%
  • 2020年:繰上げ受給率11.7%・繰下げ受給率1.6%
  • 2021年:繰上げ受給率11.2%・繰下げ受給率1.8%
  • 2022年:繰上げ受給率10.8%・繰下げ受給率2.0%

上記から、老齢年金はほとんどの方は65歳から受給をスタートさせているようです。

ただし繰下げ受給の推移を見ていると、わずかながら上昇傾向にあり、厚生年金・国民年金ともに繰下げ受給を選択する人は増えてきています。

繰上げ受給、繰下げ受給ともに、寿命によっては損をしてしまうケースもあります。

では、どの時点で「得」に転じるのでしょうか。

次章では、「繰上げ・65歳・繰下げ」で損益分岐点をシミュレーションしてみましょう。