6月14日(金)は年金支給日でした。
老後収入の柱となる年金ですが、将来どのぐらい年金がもらえるのか気になっている方も多いでしょう。
現行の年金制度では、老齢年金の受給開始年齢は原則65歳からです。
しかし、前倒しで減額された年金を受け取る「繰上げ受給」や、反対に年金受給開始を遅らせて増額された年金を受け取る「繰下げ受給」で受給開始時期をずらすこともできます。
では、「繰上げ」や「繰下げ」をしている人はどれくらいいるのでしょうか。それぞれの利用率や概要について詳しく紹介していきます。
最後に、受給開始年齢ごとの年金受取総額シミュレーション結果も掲載していますので、ぜひ最後までご覧ください。
1. 年金の「繰上げ受給」「繰下げ受給」とは
まずは、年金の「繰上げ受給」と「繰下げ受給」について解説していきます。
1.1 繰上げ受給
老齢年金は、65歳から受給できるようになります。
しかし、手続きをすれば最大60歳まで受給開始を繰り上げて受け取ることが可能です。
これを「繰上げ受給」といいます。
繰上げ受給では年金を早く受け取ることができる一方で、年金額が減額され、減額率は1ヵ月につき0.4%となっています。
繰上げ受給では、一度決まった減額率は生涯変わることはありません。
また、繰上げ請求後は取り消すことができない点や、老齢基礎年金と老齢厚生年金が一緒に繰り上げられる点に留意してください。
1.2 繰下げ受給
繰下げ受給とは、年金受給の開始時期を遅らせることができる制度です。
受給開始年齢は66歳〜75歳の間で選択でき、繰り下げた期間に応じて増額した年金を受け取れます。
増額率は1ヵ月につき0.7%となっており、75歳まで繰下げた場合の増額率は84%です。
また、繰上げ受給と同様に、増額率は生涯にわたって継続します。
定年を迎えても働き続ける人が多い時代ですから、そのときの収入にあわせて適宜繰下げ受給を検討してもよいでしょう。
ただし、寿命によっては繰下げ受給で損をするケースもあるので注意してください。
では、実際に繰上げ受給・繰下げ受給を選んでいる人はどの程度いるのでしょうか。
次章にて、詳しく紹介していきます。