5. 将来に向けた資産対策
ここまで見たように、各家庭によってお金事情は異なります。
足りないようであれば準備が必要なので、どのようなポイントを押さえて準備を行うのがよいのかを3点お伝えします。
5.1 厚生年金への加入
まずは、厚生年金についての考え方です。専業主婦に比べて、共働き世帯の方は年金収入が期待できます。
厚生労働省「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金の月平均は女性で10万4878円ですが、国民年金の月平均は5万4426円です。
単純に毎月約5万円の差が出るため、長生きすればするほど大きな差が生まれます。
厚生年金は国民年金に上乗せ支給のため、専業主婦に比べると受給額は大きくなります。
現職時代の収入たけではなく、将来の年金額の影響も踏まえて就業事情は考えていきましょう。
5.2 先取り貯蓄を利用する
2つ目は先取り貯蓄です。将来の年金額が足りない場合には、貯蓄額が大きな影響を与えます。
しっかりと資産を作って老後を迎えれば安心ですから、計画的な貯蓄を行いましょう。
そこで活用したいのが先取り貯蓄です。生活口座と貯蓄口座をまとめてしまうとついつい使ってしまう恐れがあります。
あらかじめ、別口座に決まった額を移す仕組みを利用し、計画的にお金を貯めていきましょう。
5.3 資産運用を取り入れる
3つ目は資産運用の活用です。貯金だけで足りるのであれば良いのですが、低金利の日本では物価高への対応にも苦労します。
リスクは伴いますが、NISAなどの資産運用を活用することで預金では得られないリターンが期待できます。
資産運用にはリスクが伴うため、自分にあった方法を探して無理のない範囲で取り入れていくのがよいでしょう。
6. まとめにかえて
本記事では、実際の調査データをもとに、専業主婦世帯や共働き世帯の収入事情について解説してきました。
専業主婦世帯で家計に不安がある場合は、収入を増やすことで家計が安定するかもしれません。
以前働いていて出産などを機に退職してしまった方でも、パートや正社員など、ご自身の希望条件に合わせて就職活動をスタートしてみても良いかもしれません。
昨今では在宅勤務のお仕事も増えています。
働いて収入を得られる期間は限られているため、今のうちに老後資金や教育資金などについて計画を立て、資産を増やす方法について考えてみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 厚生労働省「令和5年版 厚生労働白書」
- 厚生労働省「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」
- 国税庁「令和4年分 民間給与実態統計調査」
- 厚生労働省「年収の壁・支援強化パッケージ」
- 厚生労働省「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
徳原 龍裕