4. 【特待生制度】「条件をクリアすることが目的」となってしまうデメリット

【4枚目/全4枚】特待生となった生徒も条件をクリアした後も勉学に励む必要がある。1回のテストで基準を超えたからといって、中学3年間、高校3年間の全部の期間塾代免除になるわけではありません。

塾の特待生制度

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特待生となった生徒も条件をクリアした後も勉学に励む必要があります。

1回のテストで基準を超えたからといって、中学3年間、高校3年間全部の期間塾代免除になるわけではありません。特待生の対象期間は半年から1年程度であり、成績が低下していれば剥奪されます。

定期的に塾が指定するテストや模試で「偏差値○○以上」「B判定未満」となれば特待生の資格を失い、通常の生徒と同じ月謝を支払うことになります。

実力の世界と言われればそれで済みますが、「教育費を抑えないと」というプレッシャーを感じながら子どもは勉強と向き合うことになります。

受験ではプレッシャーはつきものです。しかし、まだ中学1年生や高校1年生の段階から「特待生の資格を失ったらどうしよう」と不安をな気持ちを抱いて勉強することは精神的に良いことではありません。

「取れなければ許さない」では子どもへの脅しにもなります。「取れたら嬉しい」というスタンスで特待生の資格について家庭で話し合いをすることが望ましいです。

また、特待生になるために塾の指定する学校やテストを受けることに意識が向き、子どもが本来目指している志望校合格への勉強が後回しになる恐れもあります。

家計の教育費の負担を少なくする制度ですが、「特待生になる」を目的にしてしまうと本当のゴールが見えなくなるので気をつけましょう。

参考資料

ソニー生命「子どもの教育資金に関する調査2024」

中山 まち子