公的年金の年金額は、物価や現役世代の賃金を踏まえて毎年見直されており、2024年度は前年度から原則2.7%されることが決まっています。
年金支給日は偶数月の15日ですが、2024年の6月15日は土曜日。よって前日の6月14日に支給される「4月・5月分」から、引き上げ後の年金額となります。
年金収入は世帯単位でイメージしておきたいところですね。そこで今回は、年金制度の基本や、令和のシニア世代の年金事情を整理していきます。記事のさいごには、世帯のパターン別に「平均的な世帯の年金月額」を計算してみましょう。
1. 【2024年6月支給分から増額】厚生年金の「モデル年金」ならひと月約23万円
日本年金機構のホームページの「令和6年4月分からの年金額等について」によると、厚生年金のモデル年金(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額)は23万483円です。
このモデル年金は以下のように定義されています。
夫が平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43.9万円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準です。
引用元:日本年金機構「令和6年4月分からの年金額等について」
「つまり標準的な稼ぎがあるサラリーマンの夫+専業主婦の妻」という状態が40年間続いた世帯を想定した給付水準というわけです。
働き方や世帯の姿の多様化が進むこんにち、令和の現役世代たちがイメージする「標準的な夫婦世帯」の姿とはだいぶ違うような気がしますね……。