老後への不安が高まる現代ですが、老後資金計画を考えるには「公的年金の受給額の目安」を知ることが大切です。
例えば厚生年金について。平均額が14万3973円と聞くと、何となく「老後は15万円くらいもらえるだろう」という印象を抱きがちです。
しかし、実際には平均並みである月額15万円を下回る方も少なくありません。
6月支給の年金から増額が決定しており、さらに定額減税が始まることもあり、「シニアの年金事情」が羨ましいと感じる方がいるかもしれませんが、実際には年金だけで暮らせない方もいるのです。
今回は年金制度を整理するとともに、2023年12月に厚生労働省から公表された「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに、最新の厚生年金と国民年金の受給額を確認します。
月額15万円を下回る人は全体の何割いるのでしょうか。
1. 厚生年金と国民年金とは?公的年金の仕組みを押さえる
日本の公的年金は、上記のように国民年金と厚生年金の2階建てになっています。
1.1 国民年金(1階部分)
- 原則、日本国内に住む20歳以上60歳未満の全員に加入義務がある
- 保険料は一律
- 納付した期間に応じて将来もらえる年金額が決まる
1.2 厚生年金(2階部分)
- 公務員やサラリーマンなどが加入する
- 収入に応じた保険料を支払う(上限あり)
- 加入期間や納付額に応じて将来もらえる年金額が決まる
2階建ての構造となっていることから、厚生年金の加入者は「国民年金を含む形で保険料を支払い」、「国民年金を含む老齢厚生年金を受け取る」ことになります。
つまり、これからご紹介する「厚生年金15万円未満の割合」で紹介する厚生年金額には、国民年金も含む点にご留意ください。