5. 老後対策として「ねんきん定期便やねんきんネット」を確認しよう

年金の平均受給額は知る機会があっても、その個人差はあまり知られていません。月額ごとの割合や男女別のボリュームゾーンを見ることで、新たな気づきがあったのではないでしょうか。

「老後不安」を抱える方は少なくないですが、実際に行動に移せる方は少ないです。

まずは現状を把握することも「老後対策」の第一歩となるので、ねんきん定期便やねんきんネット等を確認してみましょう。

厚生労働省が運営する公的年金シミュレーターでは、おおよその年収から年金額を試算することも可能です。

こうしたツールを活用して「年金だけで生活するのが難しい」と感じた場合、老後に向けた資産形成が必要になるでしょう。

老後までの期間によっては、月々の積立額が大きくなりすぎることも考えられます。余裕資金との相談にはなりますが、資産運用も一部で取り入れながら、複利の効果に頼ることも一案でしょう。

もちろん、60歳を過ぎてから働くということもひとつです。長く働ければその分「年金の受給開始」を遅らせられるので、繰下げの効果で受給額を増やせられるメリットもあります。

しかし、

  • 長生きできなければ総額で損をすることがある
  • 働き続けるために健康維持が必要
  • 働き続けるためにスキルアップが必要
  • 働けなくなるリスクへの備え(保険など)が必要
  • 繰下げ受給をすると税金や社会保険料が高くなることがある
  • 繰下げ受給をすると加給年金が受け取れなくなる

などの注意点もあります。

老後対策は、あらゆる角度から備える必要があるでしょう。

6. まとめにかえて

面倒に思えるお金のことですが、自分の老後を豊かにできるのは自分だけです。

公的年金や私的年金だけでなく、貯蓄や資産運用までさまざまな選択肢を考え、ご自身に合った老後対策を検討しましょう。

7. 年金のよくある質問(FAQ)

ここでは年金にまつわる「よくある質問」について見ていきます。

7.1 Q1. 国民年金の第1号被保険者とはなんですか?

A1. 国民年金は働き方等により、第1号被保険者~第3号被保険者にわけられます。

  • 第1号被保険者:自営業者や20歳以上の学生、無職などが対象。国民年金保険料の納付義務がある
  • 第2号被保険者:会社員や公務員などが対象。国民年金保険料を直接納めることはない
  • 第3号被保険者:第2号被保険者に扶養される配偶者。国民年金保険料を直接納めることはない

7.2 Q2. 自分の基礎年金番号はどこで確認できますか?

A2. 会社員の方は、勤務先で確認することができます。

もしくは基礎年金番号通知書、年金手帳(青色)、国民年金保険料の口座振替額通知書、国民年金保険料の納付書や領収書、年金証書、年金額改定通知書等の通知書等でも確認できます。

7.3 Q3. 月の途中で転職すると、厚生年金保険料はどうなりますか?

A3. 資格取得した月の保険料から支払う必要があります。

保険料は月単位で計算するので、月の途中で退職した場合は前月分までを納めます。月の途中で新しい会社に入社した場合、その月から保険料を支払います。

参考資料

太田 彩子