4. 「額面15万」から天引きされたら手取りはいくらになる?

額面で15万円の年金を受け取っている場合を例に、税金や社会保険料の天引き後の手取り年金額を確かめてみましょう。

この記事では、札幌市在住の67歳の独身男性(年金月額15万円)をモデルに、天引き後の手取り年金額をシミュレーションします。

はじめに、モデル男性が年金から引かれる税金や社会保険料をおさらいしましょう。

引かれるものは以下のとおりです。

  • 介護保険料
  • 国民健康保険料
  • 所得税(源泉徴収税)
  • 住民税

札幌市のホームページを見ると、モデル男性が年金から引かれる介護保険料と国民健康保険料は以下のとおりになります。

  • 介護保険料:8万6588円(年額)
  • 国民健康保険料:6万6220円(年額)

これを踏まえて源泉徴収される所得税を算出します。

  • 源泉徴収税額=(180万円-15万2808円-162万円)×5.105%=1388円(年額)

※各種控除額については、基礎的控除のみを適用

最後に、住民税を算出します。

  • 住民税=所得割:課税所得金額×10%=(180万円-110万円)×0.1=7万円
        均等割・森林環境税:5000円
        合計:7万円+5000円=7万5000円(年額)

※所得割110万円の減算は、公的年金等控除額

すべて足すと、年間で22万9196円が年金から差し引かれます。

モデル男性の年金は月額15万円ですから、年額180万円です。

差し引くと157万804円となるため、月額で約13万900円が手取り年金額となります。

額面で15万円の年金を受け取っていても、実際は2万円ほど引かれて支給されているのです。

年金からの天引き額は居住地や家族構成、年齢などによって変わります。

額面と手取り額には多少の差が生まれると考えておきましょう。