3. 国家公務員の生涯賃金をシミュレーション

国家公務員の生涯賃金は、職種や勤務地、役職、勤続年数などによって大きく異なりますが、今回は「モデル給与例」や「月例給」を基に考えてみます。

例えば、「モデル給与例」にあるように25歳で係員に着任後、35歳で本府省課長補佐、50歳で本府省課長に昇進した場合の生涯年収を考えてみると、概算で3億5000万円前後と推計されます。

ただし、このケースは順調に昇進した場合の給与例になるので、生涯年収が3億円を超えるケースは多くないものと考えられます。

次に、「月例給」にあるような行政職俸給表(一)適用者の平均給与を基に考えてみると、生涯年収は概算で2億5000万円前後と推計されます。

なお、行政職俸給表(一)適用者の平均勤続年数は38年10カ月、その場合の退職金の平均支給額は2189万1000円ですので、平均給与で38年10カ月勤務し、平均的な退職金を受け取ると仮定すれば、合計で2億7000円程度になるものと推計されます。

4. 生涯賃金は個人差が大きい

前述の通り、国家公務員の生涯賃金は職種や勤務地、役職、勤続年数などによって大きく異なります。

今回は「モデル給与例」や「月例給」を基にシミュレーションを行いましたが、これらはあくまでも平均的な金額となります。

昇進・昇給の状況などは人によって異なるので、生涯賃金は個人差が大きくなる点には注意しましょう。

参考資料

加藤 聖人