住民税は前年の所得に応じて課せられるもので、年金収入も一定金額を超えると課税対象になります。
令和6年度の厚生年金・国民年金は昨年度よりも2.7%の引上げとなりますが、昨今の物価高の影響も大きく、できれば税金は引かれたくないというのが本音ではないでしょうか。
そこで気になるのは、住民税が非課税になる条件です。具体的な条件は自治体により異なりますが、非課税となる目安を確認しておきましょう。また、住民税が非課税世帯の割合や、高齢者世帯の実態についても解説していきます。
1. 住民税が非課税になる世帯とは?
住民税は、誰でも等しく負担する「均等割」と、所得に応じて負担する「所得割」の2つで構成されており、「住民税が非課税になる」とは、均等割と所得割のいずれも非課税になることをさします。
また、住民税非課税世帯とは、世帯全員が住民税非課税である世帯のことをいいます。
住民税が非課税になる条件は自治体により異なるため、例として東京都港区の条件をご紹介します。
港区で住民税が非課税になるのは、次のいずれかの条件に該当する場合です。
- 1月1日時点で生活保護法による生活扶助を受けている方
- 障害者、未成年者、ひとり親、寡婦(夫)で、前年の所得が135万円以下の方(給与収入の場合、204万4000円未満)
- 前年の合計所得が一定の金額以下の方。
35万円×(本人+被扶養者の人数)+21万円(21万円は被扶養者がいる場合に加算)+10万円
※次の所得以下の場合は、所得割のみ非課税になります。
35万円×(本人+被扶養者の人数)+32万円(32万円は被扶養者がいる場合に加算)+10万円(令和3年度から加算)
住民税が非課税となる年収の基準額は、自治体により異なるため一概にはいえません。目安として東京都港区と武蔵野市の例をご紹介します。
- パートやアルバイトなどの給与収入が100万円以下
- 年金受給者(65歳以上)のみの場合、年金収入155万円以下
- 年金受給者(65歳未満)のみの場合、年金収入105万円以下
- 不動産収入等の所得がある場合、収入から必要経費を引いた合計所得が45万円以下
収入が年金のみである方の場合、65歳以上の方は155万円以下、65歳以下の方は105万円以下であれば住民税が非課税になります。
では、住民税が非課税になる世帯はどのくらいいるのでしょうか。次章で確認していきます。